ビジネス

2018.11.30

求職者に対する粗末な扱い、得をするのはライバル会社

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悪い体験は良い体験の倍シェアされる

日用消費財(FMCG)業界で働く人なら、優れた顧客サービスの重要性は熟知しているだろう。マーケティングにおいて口コミは強力な武器であり、顧客に常に可能な限りの最高な体験を提供することが大切だ。この点については、人材採用業界も理解しておかなければならない。

顧客体験の重視は、コカ・コーラが1981年に行った有名な調査に凝縮されている。この調査では、人が良い顧客体験と悪い顧客体験をした際の反応に大きな違いがあることが分かった。人は良い経験よりも、悪い経験の方を2倍も多く共有することを示したこの調査結果は、企業の共通知識として言い伝えられてきた。

インターネットにより自分の意見の共有と拡散が簡単になったことを考えれば、悪い経験が広まる恐れが大きいことは容易に想像できるだろう。購買意思決定に最も影響する要素は口コミであることは、今となっては広く受け入れられている事実だ。

人はしばしば、本や旅行、車、金融サービスなどに金を払う前に、周囲に相談するものであり、就職先を調べる際に同じことをする人が増えているのも驚くことではない。危険性は採用活動では特に高まる。1人の採用に対し数百人の不採用者がいるため、悪い体験が生まれる確率が高く、結果として悪いレビューやネガティブなブランドイメージにつながる可能性があるのだ。

それが従業員、求人応募者、あるいは顧客であろうと、会社に関わる全ての人に対しできる限り丁寧な対応をすることが重要だ。その恩恵は何倍にもなって自分に返ってくるだけでなく、否定的な口コミが広まるリスクを低げることにもつながる。

編集=遠藤宗生

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