「蛇も紐に見える」 変化の時代に必要な楽観性の鍛え方

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転職について、よく相談されます。僕自身、これまで13職を渡り歩いてきたせいか、転職に対するハードルがものすごく低いので、「転職といえば尾原っち」というイメージを持っていただいているのかもしれません。

中でも、初めての転職で迷う方からは、決まって同じ質問を受けます。それは「尾原っちは、転職することが不安じゃないの」というもの。そこで今回は、このような変化に対する不安を、どう扱えばいいのかについてお話ししたいと思います。

まず前提として、不安になることは悪いことではありません。むしろ自然なことです。だから、不安をむやみに打ち消そうとせず、この「不安バイアス」と、うまく付き合えばいいのです。

「蛇が紐に見える」という強さ

例えば僕の敬愛する清水ハン栄治さんは、人の視界に不安バイアスがかかることを、「ただの紐が蛇に見えてしまう状態」に例えました。

人は不安だと、なんでもないものまで危険物だと勘違いしてしまうものなのです。一方でこれは、危険を察知し、回避するための生存本能です。この能力は、これまでの安定した時代において非常に役立つものでした。例えば農家なら、稲が虫に食われるリスクを考え、常にケアをしている人の方が富めることができたのです。

ただし、今は別の畑を耕していく時代です。つまり、大きく変化しないといけないタイミングです。

でもどうしても、紐が蛇に見える心理が働くと、踏み出せなくなってしまうのです。一方で、蛇を見ても紐だと思う人も稀にいます。このタイプは、当然蛇に噛まれやすいです。もしくは、「いや、紐だよね」と勘違いしたまま、蛇を踏み潰してしまっているかもしれません。

ただ変化の時代は、紐を蛇だと思って外にでることができないと潰えてしまいます。留まることこそリスクと捉え、蛇を紐と楽観的に思って飛び出せる人達こそ、怪我しながらも次の豊かな地にたどりつくことができるのです。

不安バイアスと付き合うための2つのコツ

人間には不安の一方で、「好奇心」というものが備わっています。今ある田んぼを耕しながらも、なんとなく隣の広い土地が気になって、冒険してみたくなる気持ち。だから、あえて疑心暗鬼を抑え、好奇心を野に放つ方が、今の時代に合うのです。では、どうすれば不安が軽減されるのでしょうか。

不安バイアスとうまく付き合うためには、2つのコツがあります。
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編集=Forbes JAPAN 編集部

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