「絶対諦めるな」は間違い 仕事で見切りをつけるべき時

Jacob Lund / shutterstock.com

モチベーションを喚起するイラストのひとつに、金脈を掘り当てるためにつるはしで坑道を掘り進める人を描いたものがある。

この人は最初のコマでは、精力的につるはしを振りかざしているものの、2コマ目では汚れた手で額をぬぐい、落胆した様子で次に何をすべきかを考えている。そして最後のコマでは、何も見つけられなかったことに打ちひしがれながらその場を去ってしまう。しかし、そのコマのすみには、輝く金塊が描かれている。

このイラストが言わんとすることは明らかだ。この人はそのまま掘り続けてさえすれば一攫千金に至ったはずであり、どんなにつらくとも掘り進め前進するべきだった、というメッセージだ。

私は頻繁にモチベーションについて執筆しているが、これ以上損失を出すのをやめて諦めるべき時もあると考えている。努力を続けて奮闘しても、サクセスストーリーが生まれるのは1000に1度かもしれない。時には、自分の置かれた状況を分析して、その場に留まって闘うのか、その場から立ち去るのかを理性的に選択しなければならない。

仕事では、報われない努力を続ける価値があるのかを自問しなければならない時がある。あなたは昇給や昇進なしで、何年勤務を続けられる? 褒め言葉や励ましを受けることない日々はどれだけ続く? 一夜にして魔法のように昇進することを期待していないか?

冷酷な現実として、現代の企業文化では、大半の人は代用可能な存在だ。あなたは一定の賃金で現在の職務を果たすための存在。上層部はあなたのキャリアの成長や目標のことなど気にもしておらず、タスクが完了され、その対価をできる限り少なく抑えることしか望んでいない。もちろんこれは一般論だが、誰しもが職場で気づいていることだ。

もしあなたが企業側から無関心な扱いを受けていて、会社は自分が今日完了したことにしか興味がなく、自分の仕事がいつ他の都市や国に移ってもおかしくないことに気づいたら、今こそこれ以上の損失を防ぐ時だ。つるはしとショベルを置いて、転職活動を始めよう。今の会社に留まれば大きな成功を収められる可能性も確かにあるが、その見込みはゼロに近い。新たな職場では、昇進の可能性があるかどうかを探る価値がある。
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編集=遠藤宗生

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