背景には貧富の格差が指摘されているが、有効な対策は見当たらない。そんな中、過去15カ月間で6万5000名の新規利用者を獲得したのが、図書館向けの電子書籍配信ソリューションの「Overdrive」のシステムだ。2015年に日本の楽天の傘下となったOverdriveは、無料で数千冊の電子書籍が閲覧可能になるサービスを提供している。
一般的な図書館の利用者らは、本の貸出や返却のために図書館に立ち寄る必要がある。しかし、Overdriveのシステムならば、モバイルから電子書籍の閲覧やオーディオブックの聴取が可能になる。
OverDriveの創業者でCEOのSteve Potashは次のように話す。「モバイルが普及した現代において、人々は即座にアクセス可能なコンテンツを求めている。当社のInstant Digital Cardを通じて、彼らはデジタル化された図書館にアクセス可能になる」
Potashが利用者として想定するのは、忙しい母親やビジネスマン、近所に図書館がない人たちだという。OverDriveが抱える課題の一つは、認知度がまだ十分でないことだ。
OverDriveのネットワークは70カ国に広がり、4万カ所以上の図書館で利用されているが、普及はまだこれからだ。同社はInstant Digital Cardや、閲覧アプリのLibbyの利用者をさらに拡大しようとしている。
Overdriveは子供向けに、テキストの読み上げ機能Read-Alongsを備えた電子書籍も提供中だ。また、成人向けのタイトルとしてはロマンスや自伝もの、スリラー、さらにはLGBTQをテーマとした作品など、時代のトレンドと合致したコンテンツの拡充にもあたっている。