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フリーライター/エディター


死、テクノロジーとの関わり方も大きなテーマ

理事を務めるドミニク・チェンは、いまWell-Beingを再定義する必要性、また、財団を立ち上げることになったきっかけを3つ挙げた。

まず、近年ビジネス業界で流行った「マインドフルネス」という言葉。もとは禅から始まった言葉を逆輸入しても、あまり日本に馴染んでいないように感じたという。海外の考え方をそのまま広めるのではなく、日本の風土に合うように日本人が考え直す必要があると考えた。

2つめのきっかけは、人を看取ることをWell-Beingとして捉える考えに触れたことだった。「あるお坊さんは、Well-Beingな経験として近親者の死を挙げました。看取った親族も、大切な人に見送られた死者も、互いにWell-Beingが満たされたというんです」

他者や社会の関わりは、これまで重要視されてこなかったが、Well-Beingの重要な要素だとチェンは強調。こうした日本人の感性を定義として盛り込み、海外に発信したいとも考えている。

3つめは、近年の人とテクノロジーの関わり方。iPhoneに「スクリーンタイム」が実装されるなど、近年はテクノロジー企業がデジタル中毒にならないための配慮を行っている。

これはアメリカで、SNSに熱中する10代ほどWell-Beingが低いと発表された結果だという。

チェンは、「これまではテクノロジーの追求が生活を豊かにすると考えられてきました。しかし、これからはテクノロジーと幸福を両立させるにはどうすれば良いかも考える必要があります」と語った。

これまで幾度となく考えながらも、いまだに答えが出ていない「幸福とは何か?」というテーマ。LIFULL財団の誕生によって、この探求がどのような展開を見せるのか。

文=野口 直希

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