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2018.11.26 17:00

ブレグジットの副作用? 英で抗うつ剤の処方率が上昇


直接的な因果関係はない

当然ながらこうした結果は、英国のメンタルヘルスに関する状況がブレグジットによって悪化したということを明示するものではない。また、国民投票がメンタルヘルスの問題に影響を及ぼしたことを証明しているわけでもない。

抗うつ薬の使用が増えた背景には、英国が一方的にEUに“離婚”を要求したことなど、その他の原因もあると考えられる。メンタルヘルスに問題を持つ人が増えたことを、間接的に示しているだけかもしれない。

例えば、抗うつ薬を服用している人の中には、実際にはそれを必要としていない人もいる可能性がある。また、メンタルヘルスに関する認識の向上や関連サービスへのアクセスが改善した結果、処方されることが増えたとみることもできる。

さらに、医師が処方する薬剤はセラピストなどの専門家や薬剤の数、広告、患者の好みといったその他の要因にも影響を受ける可能性がある。処方に関するパターンや傾向は、複雑なものだ。相関性や関連性は、因果関係を意味するものではない。

「精神的健康」への政治の影響

ブレグジットのような政治的な、そして重大な問題に関する決断もまた、複雑なものだ。国民投票はその実施後になって英国内に、離脱に関する具体的な条件や発生し得る派生的な問題に関する大きな議論や論争を巻き起こした。

そのため、国内でメンタルヘルスに関する問題が拡大したとしても、それがブレグジット自体によるものなのか、国民投票後に起きた論争や不確実性、国内の雰囲気なのかは定かではない。

ただ、それでも新たに発表された研究結果は明らかに、全体的な政治環境が国民の精神的、感情的な健康に重要な役割を果たしている可能性があることを示している。政治の問題は、たとえ明確に医療に直結する問題ではなくても、国民の健康に関わる問題だ。

編集=木内涼子

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