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Glovatskiy / shutterstock.com

仕事に圧倒されたときの感覚は、誰しも経験したことがあるはずだ。締め切りに間に合わせるため、大事なプレゼンテーションの準備のため、永遠に終わらないやることリストの分析のため夜も忙しく働いてしまう状態だ。

仕事依存を研究・治療する認定心理療法医のブライアン・ロビンソン博士は「これは普通のこと」と述べた。「ただし、猛烈に忙しいスケジュールをこなしていないと混乱してしまう場合、普通の状態ではない。仕事依存は、パフォーマンスにも健康にも良くないこと」

従業員の健康に焦点を当てて多くの時間を費やす企業は多いが、現在の企業文化はいまだに仕事依存を深刻な問題として全く認識できていない、とロビンソンは述べた。「仕事依存について冗談を言う人もいる。一部の企業文化では実際、働いてばかりの人材を称賛している。しかし、ここでは全体像を見ていない。仕事依存と強い労働倫理は全く異なるものだ。強い労働倫理を持てば安定したキャリアを築けるが、仕事依存は仕事以外の生活を台無しにしてしまう」とロビンソン。

本稿の執筆者である私たち2人は毎日、リーダーと従業員のパフォーマンスの改善方法について研究・執筆・講演活動をしており、仕事をするのは好きだ。その一方で私たちは、仕事依存と高い労働倫理観を持つことの境界線を理解するのに少々苦しんだ。

「実のところ、2つの間の境界線はとても明確だ」とロビンソン。「私はスキーを例としている。あなたは雪の降る日に職場に座り、ゲレンデを滑るのを夢見るタイプだろうか? それともゲレンデにいるとストレスを感じ、いつになったら仕事に戻れるかと不安を感じるだろうか?」

ロビンソンはそれから、仕事依存は他の依存症と同様本物の依存症であり、危険だと述べた。「仕事依存の人は、仕事をドラッグのように使う。仕事は偽りのコントロール感を生み、不安に対処する偽りの道具になる。仕事依存の人は、仕事にしがみついていれば安心だと感じてしまうが、これが依存症だと気づかないことが多い」とロビンソン。「多くの場合、配偶者や家族が変化を求める。依存症により、プライベートの生活が壊れ始めるからだ」

ロビンソンと話した私たちは2人とも、今まで会った中で仕事依存だったかもしれない人を思い浮かべた。仕事が何よりも優先になり、生活の中の境界線を見失った人たちだ。ロビンソンは、自身が治療した仕事依存症の患者について明かすことはなかったが、以前実際に仕事依存を経験した自身の話を共有してくれた。

「何人もの友達とビーチに行ったことを覚えている。友人らはいろいろ見て回り、楽しみたいと思っていたが、私はこっそり仕事ができるよう、友人らがその場を去るのを待っていた。薬物依存の人が隠れて薬物を使用するのと同じように、私も自分の仕事依存を隠していた」

翻訳・編集=出田静

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