徒歩や自転車の増加で地域活性、ロンドンの街づくりで成果

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ロンドン交通局の新たな調査によると、自動車で移動する人よりも、徒歩や自転車、公共交通機関を利用する人のほうが、地元の店でお金を多く使うという。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのバートレット建築都市計画大学院のマシュー・カルモナ教授が実施した調査から、車を使わない人たちは、車を使う人と比べて、自宅近くの店で毎月40%も多く買い物をしていることが明らかになったのだ。

調査の対象となったのは、自転車用レーンを設けるなど、街並みをオランダ流に改善して成果を得たロンドン市内の地域だ。

ロンドン交通局は、「ヘルシー・ストリーツ・アプローチ(Healthy Streets Approach)」と称した、徒歩や自転車でアクセスしやすい街づくりを進めている。

同局の交通戦略部門を率いるリリー・マトソンは、「私たちの新しいオンラインハブを使った今回の調査で、人々が時間を過ごしたいと考える楽しい空間づくりと、ビジネスの業績向上には、関係があることが明らかになった」と述べた。

ロンドン南東部のブロムリー区をはじめとする、街並み改善に取り組んだ地域では、歩行者数が93%増加した。

また、人々が通りで過ごす時間も長くなり、買い物をしたりカフェに行ったりといった行動は216%増となった。

町を歩く人と来店者の数が増えたおかげで、貸店舗の賃料は7.5%上昇し、空き店舗は17%減少した。

ロンドン交通局ウォーキング&サイクリング・コミッショナーのウィル・ノーマンは、「ロンドンのビジネスは生き残りをかけてかなり悪戦苦闘している。私たちはできる限りのことをして支援しなくてはならない」と語った。

「より多くの人が歩いたり自転車に乗ったりできるように街並みを調和させれば、通りはよりクリーンかつ健全になり、居心地がよくなる。それにより、人々はもっと地元の店で買い物をしたいと思うようになる」

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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