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ミナカラ代表 喜納信也

体調不良でドラッグストアに立ち寄ったものの、どの薬が合うのかわからない。「効きそう」なパッケージの薬を“ジャケ買い”して服用したが、症状は改善しなかった。そんな経験はないだろうか。
 
こうした薬をめぐる課題解決に乗り出したのが、代表の喜納信也率いるミナカラだ。ITで薬剤師と患者をつなぐオンライン医療プラットフォームの構築を目指す。

「薬剤師から適切なアドバイスを得られる機会は少ない。必要なタイミングで薬剤師に相談できる接点を作り、安心して治療できる医療体験を提供できたら」
 
同社は2014年、ネット上に「ミナカラ薬局」をオープン。薬の販売だけでなく、市販薬の成分を処方薬と比較できる薬のデータベースや、オンラインで薬剤師に相談できる「薬剤師Q&A」、薬の宅配など、患者の生活と薬を結びつけるサービスを展開してきた。
 
現在、市販薬の市場規模は約6700億円。EC化率は3~5%。167%の成長率で伸び続け、年間約3億回は売れている計算だ。ユーザーは比較的若い層が多い。

「実は処方薬と同等の成分を含む市販薬も多い。正しい服用の知識や情報を提供することで市販薬はもっと活用できるし、医療費削減にもつながる」
 
さらに同社はこの8月、外用薬「minahada」を独自に製造、販売を開始した。

「minahada」のパッケージにはQRコードが印刷してあり、これを読み込めばオンラインで薬剤師に相談できる「つながる市販薬」だ。QRコードをつけただけに思えるが、これこそ喜納が思い描く未来像への大きな一歩となった。

「流通の多い市販薬とインターネットをつなぐことで、ユーザーデータが蓄積できます。どこでどんな薬が買われたか、どんな人がどれくらい使ったかなどがわかるようになれば、風邪が流行っている地域が特定できたり、公害の原因特定にも貢献できるかもしれない。多様な事業への展開も可能になるはずです」
 
すでに販売されている薬にQRコードをつけるのは難しかったため、まずは自社で開発を急ぎ、3カ月間で完成させた。

「薬のIoT化が進めば、個々にカスタマイズした薬も開発できる。薬剤師がその専門知識を発揮できる場所を、薬局のカウンター以外にどんどん広げていきたい」

文=鈴木麻里子 写真=小田駿一

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