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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」


GTを見たことない、プレーしたこともない人は、「なんだ、外でまともに遊べない、本物の人間と交流できないゲーム好きのオタクが集まって、家でやっていることをモナコでやるだけじゃないか」というかもしれない。しかし、実際に会場にいた僕は、まったくそうは感じなかった。

会場で見るグランツの映像は、リアルのレースとまったく変わらないクォリティ。正直な所、リアルワールドでは不可能なカメラ・アングルが楽しめるので、本物のレース中継よりも実際のレースコースにいる感じが体験できる。

マシンの動き、本物の音、そして目の前にいる16人のドライバーの競争を一目で見ることができて、まるでレーサーたちと一緒にマシンに乗って戦っているような気持ちにさえなるのだ。生でリアルタイムに楽しめるレーシングだからこそ、FIAがモータースポーツとして認定したわけだ。

「選手たちのドライビング・テクニーク、燃料補給のタイミングやタイヤの選択など、これは本物のレーシングですね。感動しました」とFIAモータースポーツ部副会長のグレアム・ストウカー氏は語った。



そのコメントを聞いて、グランツのプロデューサーである山内一典氏はうなずきながら微笑んだ。

「FIAと契約をしてから6年になります。長い道のりでした。レースコース、マシン、そして予選プロセスを決めるのに、時間はかかりましたが、FIAやプレイヤーたちのサポートがあったから、ここまで来られました。また、ウンベルト・ボッチョーニ氏の彫刻にインスパイアされたGTトロフィの制作も楽しかったです。また、グランツのオフィシャル・マイスターとして登場したF1王者ルイス・ハミルトンが選手たちに励ましの言葉を言ってくれて嬉しかったです」と語った。

FIAマーケティング部門のステファン・フィアットに聞いてみると、近年、やはり、ビデオゲームの重要性を感じていたそうだ。

「モータースポーツを開発している中で、ビデオゲーム部門の存在は大きくなっていましたので、モータースポーツとしてゲームを認定する時代になってきたと感じていました。世界中にユーザーがいるので、モータースポーツはバーチャルにも進むことが見えていました。グランツのネイションズ・カップは、リアルとバーチャルが見事に合体したイベント。それらをもっと開発させるために、FIAはデジタル・モータースポーツ育成の委員会を設立しました」という。

つまり、GTとタイアップするということは、今までのFIAの仕事の拡張に繋がるということであり、新しい市場を切り開いていくことにもなる。

12月7日に、ロシアのサンクトペテルブルクで開催される「FIA GALA」授賞式では、GTの世界王者のフラガ選手が、F1チャンピオンのルイス・ハミルトン選手と同じ舞台に立ち、トロフィを受ける。この光景は、グランツが本物のモータースポーツへの到達した証だね。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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