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jamesteohart / Shutterstock.com

コンピュータビジョンのスタートアップ「AEye」は、自動運転車向けのLiDARに対する他社の取組みが間違っていると指摘する。

現行のLiDARシステムの問題点は回転メカニズムを備え、動作が遅く、高価であることだ。この問題を解決するため、多くの企業が回転機構を持たない安価なソリッドステート型LiDARの開発を競っている。しかし、まだ市場に投入された製品は存在しない上、最良のコンディションでも250メートル先までしか見ることができない。

マッピングが完全な環境を低速で走行する場合はそれでも十分かもしれないが、高速で走行中の車が急停車するには不十分だ。

AEyeが開発したソリッドステート型LiDAR「AE100」は、LiDARと高解像度で低照度対応のカメラを1つのユニットに組み合わせたコンピュータビジョンシステムで、AIを使ってデータを高速処理する。

AE100は、カメラとLiDARのデータをリアルタイムで統合し、点群データ「dynamic vixels」を作成し、ソフトウェアで制御。人間の視覚野と同じように重要な物体にだけ照準を合わせることができる。

AEyeによると、この製品は自動運転車の意思決定にとって重要な10%のデータだけを送信するという。活用するデータ量が少ない分、競合製品よりも高速に処理することができるのだ。

「人間の目のように視野に入った物体の中から重要なものに照準を合わせる、インテリジェントなシステムを実現した」とAEyeでチーフ・オブ・スタッフを務めるBlair LaCourteは話す。

現在、自動運転システムが人間よりも上手く緊急事態に対応できるかという議論が盛んに行われている。人間が優れているのは、複数の感覚を使って周辺環境を検知し、過去の経験に基づいて重要なものに照準を合わせ、残りを無視することができる点にある。

AEye製LiDARの能力は人間を凌駕する。同社の製品は、1000メートル離れた物体を検知してスキャンし、フィードバックループによってほぼリアルタイムに重要な情報を絞り、車両の進路を決定する。

「我々は、速度と品質において他社製品の3000倍優れているだけでなく、ドライバーが注意するべきポイントを予測することができる。例えば、交差点を曲がるとき、交差点入口で注意をすると同時に、曲がる方向で注意すべきポイントを予測して重点的に検知する」とLaCourteは語る。

AEyeは、周辺を検知して異なる物体に照準を合わせる機能と、走路探索システムからフィードバックを得て状況を把握する機能を組み合わせることで、インテリジェントでアジャイルなソリッドステート型LiDARを作り上げた。これは、LiDAR史上初めて人間のように情報を処理できる製品となるかもしれない。

編集=上田裕資

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