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2018.11.23 10:00

英ヴァージンの「空中発射ロケット」テスト飛行が成功

「ランチャーワン」を翼下に吊り下げた航空機、「コズミック・ガール」(photo courtesy of VIRGIN ORBIT)

「ランチャーワン」を翼下に吊り下げた航空機、「コズミック・ガール」(photo courtesy of VIRGIN ORBIT)

英ヴァージングループ傘下の宇宙開発企業「ヴァージン・オービット(Virgin Orbit)」は、航空機から発射される「空中発射ロケット」で小型衛星を軌道に送り込むことを狙っている。2019年の早い時期にその実現を計画中の同社は11月19日、カリフォルニア州ロングビーチで重要なテストを行った。

ロケットを発射するための航空機、コズミック・ガール(Cosmic Girl)の翼下にランチャーワン(LauncherOne)と名づけられたロケットを吊り下げ、飛行するテストだ。

80分間に及んだ当日のフライトで「機体は極めて良好に飛行し、シミュレーターでの訓練時と完全に一致していた」とチーフパイロットKelly Latimerは声明で述べた。

リチャード・ブランソン率いるヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)傘下のヴァージン・オービットは最近、繰り返しテストを行い、成功を収めている。今回の吊り下げ飛行のテスト成功で、同社の打ち上げ準備が最終段階に入ったことになる。

ヴァージン・オービットは小型人工衛星の打ち上げ分野で、空中発射システムで差別化を果たそうとしている。1万メートル以上の高高度で、ロケットを発射することにより、人工衛星の打ち上げを効率的に行えるという。

積載重量が約500キロのロケット1機にかかる打ち上げコストは1200万ドルで、ロケットラボ(Rocket Lab)などの競合の約2倍だ。また、1キロ当たり2万4000ドルという価格は、スペースXの大型のロケット「ファルコン9」の2500ドルと比べると、かなり割高となっている。

しかし、強みとなるのはスピードだ。ファルコン9の場合は、最大で2年も待つ必要があるが、ヴァージン・オービットはクライアントの要求に応じ、待ち時間を1日まで短縮できるという。今回の実験によってその実現が1歩近づいたといえる。

編集=上田裕資

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