英、ラルフ・ローレンにナイトの爵位授与 米デザイナーで初

ラルフ・ローレン(左)と妻のリッキー・ローレン(右)(Photo by Jared Siskin/Patrick McMullan via Getty Images)

ラルフ・ローレン(左)と妻のリッキー・ローレン(右)(Photo by Jared Siskin/Patrick McMullan via Getty Images)

ファッションブランド「ラルフローレン」を創業したラルフ・ローレン(79)は先日、英国のエリザベス女王により大英帝国名誉2等勲爵士章を授与された。ファッション・ビジネス・慈善活動における功績を認められたことが受勲の理由で、米国人デザイナーとして初の栄誉となる。

ニューヨーク市ブロンクス区生まれのローレンは、今年50周年を迎える世界的なファッションブランドを自力で築き上げた。ローレンに先立ち名誉勲爵士の地位を与えられた米国人には、ドワイト・アイゼンハワー元大統領、ロナルド・レーガン元大統領、ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領、ニューヨークのマイケル・ブルームバーグ前市長とルドルフ・ジュリアーニ元市長、アンジェリーナ・ジョリー、スティーブン・スピルバーグ、ビル・ゲイツとメリンダ夫妻、バーバリーのアンジェラ・アーレンツ元最高経営責任者(CEO)らがいる。

英国のナイトの爵位は、英国の叙勲制度の中でも特に地位が高い勲章の一つで、傑出した業績と同国への奉仕が認められた証に授与される。受勲者は、男性の場合はサー、女性の場合はデイムの敬称使用が認められる。今回ローレンが授与された名誉2等勲爵士(オナラリー・ナイト・コマンダー)の爵位は、英国やコモンウェルス(英連邦加盟国・地域)の市民以外に与えられるものだ。

ラルフローレン社の会長兼最高クリエーティブ責任者(CCO)を務めるローレンは、ニューヨーク市立大学バルーク校でビジネスを学んだ。米陸軍での2年間の従軍を経て、ファッションの道を志し、起業したラルフローレン社を誰もが知るグローバルブランドへと育て上げた。

ローレンは、50年以上にわたるキャリアの中でニューヨーク市民として傑出した功績を残したことが認められ、顕著な功績を残した住民や特別来賓らに贈られる「Key to the City(市の鍵)」をブルームバーグ前市長から授与された。フランスでは、デザイナーや企業のリーダー、事前活動家としての功績をたたえられ、レジオン・ドヌール勲章のシュバリエ(勲爵士)を授与されている。

また、傑出した米国人としての一生涯の功績と、200年以上前の当時の星条旗を保全する活動を評価され、ジェームズ・スミソン生誕200年記念メダルを授与された他、米国ファッション協議会(CFDA)はローレンに対し、年間最優秀男性服・女性服デザイナー賞、年間最優秀小売業者賞、生涯功績賞など、多くの名誉ある賞を授与している。

その他の受賞歴としては、CFDA人道リーダー賞、CFDA初となる米ファッションレジェンド賞、ウィメンズ・ウエア・デーリー(WWD)の第1回ジョン・B・フェアチャイルド賞、ブリティッシュ・ファッション・アワードなどがあり、ローレンの伝説的で創造的なビジョンが評価されてきた。

大英帝国勲章では、ファッション業界での功績に加え、ローレンの慈善活動の取り組みが評価された。ローレンが取り組んできた慈善活動には、ジョージタウン大学ロンバルディ総合がんセンターのニーナ・ハイド乳がん研究センター、ニューヨークのラルフ・ローレンがん治療センター、そしてロンドンの英王立マースデン病院でのラルフ・ローレン乳がん研究センターの設立などがある。

編集=遠藤宗生

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事