「ふたりで最高のチームを作る」 ニューエリート世代の夫婦の在り方

徐福健安と高野葉子




組織のマネジメント論は、家庭でも応用できる


──もともとお二人は同僚だったけれど、徐福さんは半年ほど前に独立して起業されましたね。結婚後すぐに独立して起業、というと、人によっていろいろなイメージを持つと思いますが、高野さんはどのように感じましたか?

高野:付き合い始めた時から、独立したいと聞いていたんです。実際にプロポーズから1年後に起業したわけですが、「私のことは気にしないで好きにやってほしい」と最初から伝えていました。

「嫁ブロック」という言葉があるけど、私は、妻が夫の考えや行動に口出しをすることにとても違和感を感じています。だって、彼の人生だから。

仮に私がある日突然いなくなったとしても、彼の人生は続いていくわけですし。口出しをしてしまっても、責任が取れない、という思いもどこかにありますね。それより私は、彼がなにを選択し、どんな人生を送っていくかにとても興味があって、それを誰よりも近くで見ていたいと思っているんです。

──そうすると、おふたりが考える理想の夫婦って、どんなイメージですか?

高野:周りの雰囲気に流されない夫婦ですね。日々過ごしている中で、自分たちが本当にそうしたいのかと考えず、思考停止してしまうこともあると思うんです。

自分の想いとは裏腹に、結婚したら家事をしなくちゃとか、子どもをすぐに作らなくてはいけないとか、そういう周りの固定観念になんとなく流されてしまう。

これまで共働き夫婦の場合は、女性が家庭と仕事との両立を強いられていたと思うんです。ただどちらか一人で両立しても仕方がない。無理が生じてしまっているのではと気づいている人も増えているように思います。夫婦ってチームですから。

結婚しても、女性は自分でライフスタイルや働き方をプランニングしたり、子どもが生まれたとしてもシッターさんにお願いしたり、パートナーと分担したりとか。今、選択肢は多様です。その多様な選択肢を選べるようになるための努力を怠らないことが、今私たちにできることなのかなと思っています。

私たち夫婦は、私が88年生まれで、彼が89年生まれ。世代でいうと「ミレニアル世代」や「ニューエリート」といったキーワードにぶつかるんです。社会もアップデートしていくタイミングなんだなと感じますね。

徐福:何より大事にしているのは、やはりコミュニケーションです。僕も彼女も人から相談を受けやすいタイプなのですが、上手くいっていないと言っているカップルや夫婦を見ていると、コミュニケーション不足だなと感じることが多かったんです。「それ相手に直接伝えなよ」って、話を聞きながら思うことがたくさんあった。

それから、相手の話を聞いている様子もない。自分のことしか伝えられていない人が多い。まずは、相手の話を聞く。コミュニケーションって、聞くことから始まりますから。

思っていることは溜めこまないで直接話し、お互いにちゃんと相手の話を聞く。それが大切なのだと思います。

高野:組織で働く上で学んだマネジメントの考え方は、そのまま家庭に応用できると思います。人同士のコミュニケーションですから男女間にも、もちろん応用できる。職場でさせてもらっている経験は、人生の勉強にもなることを結婚を通して学んだと思います。

文=吉田彩乃 写真=小田駿一

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