ゼネラルモーターズ(GM)はニューヨーク市で、自動運転車のテストプログラムを実施する予定だったが、ビル・デブラシオ市長が安全性の懸念を示したため、保留にしたと伝えられている。
実際に、自動運転車の安全性に疑念を生じさせるデータもある。ここではカリフォルニア州の米国陸運局(DMV)がテックニュースサイトTech.coと共同で実施した調査の結果をお伝えする。
カリフォルニア州でこれまで最も多くの事故を発生させた自動運転車両は、GM傘下のクルーズと、グーグル系のウェイモの車両だ。クルーズが51件、ウェイモが37件の事故件数を記録している。
ウェイモの車両の事故は全て、マウンテンビュー地区で発生している。ウェイモは全米各地で自動運転車のテスト走行を行っているが、そのうち41%がマウンテンビューで行われている。なかでもマウンテンビューに向かう6車線のハイウェイEl Camino Realが難関となっている模様で、9件の事故が発生している。また、パロアルトやロスアルトス、サニーベールなどでも事故を起こしている。
サンフランシスコ市での運転は人間でも容易ではないが、AIにとってはさらなる課題となっている。市内ではこれまで61件の自動運転車の事故が発生しており、そのうち51件がクルーズのものだった。カリフォルニア州で最多の事故件数を記録したのはクルーズの自動運転車だ。GMが全米でテスト中の自動運転車の30%が、カリフォルニア州に配備されている。
さらに、Zooxの事故件数は5件、アップルが2件、トヨタとDrive.aiが各1件の衝突事故を起こしていた。
また、今回のレポートでは自動運転車に敵意を向ける人もいることが報告された。昨年はサンフランシスコのミッション地区で、信号待ちだったクルーズの自動運転車に男が体当たりして、テールランプを破損させる事件が起きた。
さらに、タクシーのドライバーがクルーズの車両の前に割り込んで停車させ、自動運転車のガラス窓を殴ってヒビを入れる事件も起きた。
Tech.coの調査を主導したTom Fogdenはこう述べている。「人類は今、交通テクノロジー分野のターニングポイントにさしかかっており、今後の発展にむけては痛みも必要だろう。特にサンフランシスコ地域では、自動運転車を厄介なものと考える人もいる。開発者らの苦労が、いつか報われることを祈りたい」