キャリア・教育

2018.11.22 07:00

「プロポーズはプレゼンでした」 女性起業家のパートナーとは

井上皓史と中村朝紗子



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「彼が自分の人生全てを私に賭けようとしているのが伝わってきた」

 
──プロポーズは、どちらからされたのでしょうか。
 
井上:今年2月に僕から話しました。「朝渋」を「モーニングラボ」の事業にして、2人で会社経営をしようと。公私混同経営ですね。
 
──結婚と同時に、井上さんが中村さんの会社に入ることにしたということですか?
 
井上:はい。当時もサラリーマンをしながら「朝渋」を運営していたのですが、体力の限界でした。また、彼女を支えるのなら、家庭だけでなく社内でもナンバー2になればいいと思ったんです。
 
中村:プロポーズというより、プレゼンでした(笑)。2人の現状での問題点と改善点をA4用紙2枚にまとめて渡されて。
 
最初は断ろうと思っていたんです。というより、私はこれまで仕事とプライベートを切り分けていました。会社は社長としてバリバリ頑張る場所で、恋人は休日に肩の荷を下ろせる場所。
 
仕事を優先したせいで恋人と別れたことだってあります。その意味では、彼の提案は良くないように思えました。
 
でも、彼の言葉からは自分の人生全てを私に賭けようとしているのが伝わってきた。さらにいうなら、社長が優秀なナンバー2を確保するのって、相当大変なんですよ。
 
こんなに優秀な人が弊社のナンバー2になると自分から言ってくれるなんて、願ってもないチャンス。彼の仕事ぶりは、「朝渋」を運営していてわかっているからわかっているから、うちに入っても絶対活躍してくれるとわかっていた。
 
また、井上にはもっと朝渋に本腰を入れてほしかった。将来は「朝渋」で起業するなど、本腰を入れる選択肢も出てくるんだろうと。まさかうちでそれをやるとは思っていませんでした。
 
──「仕事」と「プライベート」の両立に悩んでいる女性はとても多い。中村さんは比較的、仕事を優先する人のように感じます。
 
中村:いまの私は寝ても覚めても仕事のことを考えてしまうし、考えていたいんです。だから仕事とプライベートを両立させるいわゆる「ワークライフバランス」というよりも「ワークアズライフ」、仕事をベースにした上で恋愛や結婚を想像するしかなかった。
 
だから、井上の申し出にはとても感謝しているんです。
 
井上:僕はこれまでも、ナンバー2としていかに社長を勝たせるかを考えて働いてきました。せっかく社長を勝たせるのなら、それが自分の妻であればもっといいじゃないですか。
 
最近はタスク管理のコツを教えています。彼女は学生起業で、企業に所属したことがないので、鍛えがいがありますよ(笑)。
 
中村:もう一つ、私たちが結婚した理由は、20代でこうした形での結婚をした人がほとんどいないから。常に新しいことを実験するのが、人生だと思うんです。
 
井上:中村の周りにいる女性経営者にも、仕事とプライベートの両立に悩んでいる人はたくさんいます。人によって幸せの形は違いますが、一つのモデルとして現状に一石を投じられたら嬉しいですね。

文=野口直希 写真=藤井さおり

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