出口戦略がIPOだけでは限界がある
日本のスタートアップ・エコシステムを活性化させ、グローバルで勝てるスタートアップを多く生み出していくためには、いかに大企業とスタートアップの連携を強化していけるかどうか、が鍵を握るだろう。
経済産業省経済産業政策局の福本拓也は、こう語る。
「スタートアップの出口戦略がIPOだけでは限界がある。二桁億円の時価総額で上場したものの、それ以降成長していない会社は多くあります。また上場して株主が分散することで短期的な利益を求められると、長期的な視点で事業の戦略を考えられなくなってしまう。スタートアップの出口戦略として、大企業によるM&Aという選択肢も存在する。J-Startupの取り組みを通じて、スタートアップと大企業の連携を増やしていきたいですね」(福本)
2023年までに20社のユニコーンを創出する──その目標を達成すべく、経済産業省が始動させたスタートアップの育成・支援プログラム「J-Startup」。福本曰く、短期的にはグローバルで勝てる可能性のあるスタートアップを徹底的に支援していく予定だという。
「この取り組みを通じて、将来的には大企業とスタートアップが連携する習慣が根付いていき、グローバルで戦えるプレイヤーが増えていったらいいですね。我々にとっても大きなチャレンジ。いろんなことを学びながら、日本のスタートアップ・エコシステムを世界に誇れるものにしていきたい、と思っています」(福本)
ブームからカルチャーへ。グローバルで戦い、勝てるスタートアップを生み出し、グローバルにおける日本発スタートアップのプレゼンスを高める取り組みは、ここからさらに加速していく予定だ。