保有資産は、あなたが所有する物の価値から住宅ローンやその他の借り入れを差し引いた金額だ。この数字が重要なのは、それがお金に関するあなたの意思決定や習慣を反映するものだからだ。
保有資産が多いことは、必ずしもあなたがこれまで、お金について適切な決断を下すことに多くの努力を払ってきたということを意味するわけではない。だが、それでもその金額は多くの場合、あなたに関する真実を表している。
あなたが過去10年間、毎年65万ドルを稼いでいたとする。そして、現在の保有資産が1万ドルだったなら、幾つもの疑問が生じる──まず、64万ドルはどこに消えてしまったのだろうか?
医療費がかかったなど、予期せぬ緊急事態で出費がかさんだなら、それは理由として納得できるかもしれない。だが、外を出歩き、高級車に乗り、デザイナーブランドの服を着てきたというなら、妥当な支出をしてきたとはいえないだろう。
「あるべき」資産の額
「純資産」の基準について議論するときに考えるのは、当然ながら“適切な”保有資産の額はどのくらいかということだ。築いておくべき資産については、あなたが何を目標とするかに基づいて考える必要がある。学費が高騰する中でも子供に大学教育を受けさせたいと思う人は明らかに、より積極的に貯蓄に努める必要がある。
今あるべき資産の額を明確に割り出したいのであれば、働き始めてからの年数、または大学を卒業してからの年数に、あなたのこれまでの平均年収を掛け、その数字にさらに0.25を掛ければいい。
例えば、現在30歳の人がこれまで8年間働き、その間の平均年収が5万5000ドルだったとする。その人が持っているべき理想的な資産の額は、11万ドルだ。
ただ、仮にそれほど貯まっていないとしても、問題はない。これから借り入れを減らし、収入を増やし、貯蓄に回す分を増やせばいいのだ。貯蓄率を高めるための最も簡単な方法は、毎月予算を決めて生活することだ。
あなたの保有資産は、お金に関するこれまでのあなたの選択を反映したものだということを、忘れてはいけない。
「資産」を構成するもの
自分の保有資産がどのくらいになるかを計算する際には、以下を確認する必要がある。
金融資産
・現金、銀行口座の残高
・年金(401Kなど)
・その他の投資(株、投資信託など)
・保有する不動産の市場価値
・(ビジネス・職業に関する)所有権
負債
・住宅ローン
・その他の借り入れ(学生ローン、個人ローン、ホームエクイティ・ローン、自動車ローンなど)
・クレジットカードの利用残高
・その他の未払い分(固定資産税、治療費など)
その他
・自動車と家具
自動車や家具は高額でも、資産には含めない。購入後、短期間で大幅に価値が低下するからだ。もちろん、含めても問題はない。ただ、これらの購入は、長期的な価値の保有につながる金融投資と考えることはできない。
・生命保険
終身生命保険などの解約払戻金は、資産と考えることができる。
・相続財産
自分が引き継ぐことが確実だと思っていても、相続財産は現在のあなたの保有資産に含めてはいけない。相続するまで、それはあなたの財産ではない。