ロケット「アンタレス(Antares)」がバージニア州にあるNASAのワロップス飛行施設から打ち上げられたのは11月17日の午前4時1分。補給機「シグナス(Cygnus)」を搭載したアンタレスは、2018年1月にこの世を去ったNASAの宇宙飛行士ジョン・ヤングの偉業を讃え「S.S. ジョン・ヤング」と名づけられている。
1段目は計画通り、打ち上げ約3分40秒後に切り離されて太平洋に落下した。上段はその後2分半ほど燃焼し、シグナスを計画通りの軌道に載せた。
ISSの宇宙飛行士に届ける積荷はおよそ3400キログラムで、シグナスの補給ミッションとしては10回目だ。シグナスはISSに到着後2月まで留まり、その後切り離されて大気圏で燃え尽きることになっている。
到着したシグナスはNASAの宇宙飛行士セリーナ・オナン・チャンセラーがロボットアームでつかんで結合部「ユニティ(Unity)」にドッキングさせる。
シグナスに搭載されているのは、生のフルーツやアイスクリーム、そして各種の実験道具だ。3Dプリンターを用いて、プラスチック廃棄物から新たな道具を作る実験も行われる。
また、重力がほとんどない環境でのセメントの固まり方も研究される。この研究は、将来の月や火星での建設作業に備えるものだ。さらに、宇宙飛行士が宇宙でどのように距離を捉えているかを検証するVRを用いた実験も行われる。
今回の打ち上げは当初、11月15日に予定されていたが、悪天候により延期となっていた。しかし、問題なく打ち上げが成功したため、ISSの宇宙飛行士たちは今後の多忙な業務に備えている。
ISSに向けて、ロシアも有人ロケットの打ち上げを12月3日に予定している。今回の打ち上げが成功したことは、彼らを勇気づけることにもつながるだろう。