閉じる

PICK UP

I write about the future of books and the business of storytelling.

ミシェル・オバマ(Photo by Paul Morigi/Getty Images)

バラク・オバマ元米大統領の妻ミシェル・オバマが、先日発売した回顧録「Becoming(ビカミング)」が、2018年に発売された書籍としては最速で販売冊数を伸ばしている。

Becomingは11月13日の発売開始当日に、米国とカナダで72万5000部以上(デジタルやオーディオブック等の全フォーマット)が売れた。これは、同書の発売元で世界最大の出版社ペンギン・ランダムハウスが2018年に発売した書籍のなかで、1日あたり最大の売上記録となった。

好調な売上はその後も続き、大手書店バーンズ・アンド・ノーブルは11月19日、Becomingが2018年最大の初週セールスを記録したとアナウンスした。さらに、Becomingの初週売上は、過去3年に発売された全ての大人向け書籍の記録を上回っているという。

バーンズ・アンド・ノーブルは売上冊数を公開していないが、Becomingの同書店での売上は、発売初週に110万部を記録したボブ・ウッドワードの「FEAR 恐怖の男 トランプ政権の真実」を上回ったという。

Becomingの初版刷り部数は180万部で、ペンギン・ランダムハウスは既に80万部の重版をかけたという。Becomingには、ミシェル・オバマ自身が朗読するオーディオブックのダウンロード版と物理フォーマット版も用意されている。さらに、この書籍は合計31の言語に翻訳され、スペイン語版は既に発売中だ。

「この本はホリデーシーズンに絶対読むべき本の1冊にあげられる」とバーンズ・アンド・ノーブルのシニアディレクターのLiz Harwellは述べた。

Becomingの記録は2015年7月に発売されたハーパー・リーの「さあ、見張りを立てよ(Go Set a Watchman)」の記録を塗り替えた。

2018年に発売の書籍で2番目の初週セールスを記録しているのは、ボブ・ウッドワードの「FEAR」で、ジェームズ・コミーの「より高き忠誠(A Higher Loyalty)」が3位となっている。

全米出版社協会(AAP)のデータでは、2013年から2017年にかけてフィクション部門の書籍の売上は16%の下落となった。その一方で、近年盛り上がりをみせるのが、政治的ノンフィクションのジャンルだ。

しかし、ミシェル・オバマの回顧録の売上の好調ぶりは、人々の政治的書物に向ける関心が、ドナルド・トランプが支配する現政権のみにとどまらないことを示している。

編集=上田裕資

あなたにおすすめ

合わせて読みたい