ビジネス

2018.11.27 07:00

有能マネージャーがやっている「非定形業務マネジメント」とは

Monkey Business Images / Shutterstock.com

Monkey Business Images / Shutterstock.com

上司からの無理難題、他部署からの催促や要求、部下からの悩み相談……すべて集中するのがミドルマネジメント層だ。一方で、今や課長・マネジャー役職は全ての時間をマネジメントのみに費やす人は少なく、組織統括の責任も負いながら、自身のプレイング業務に忙殺されてしまう場合も多いだろう。

ミドルはまさに組織の要であり、次のようなマルチな役割が求められる。

・上司と目標や方針をすりあわせ、上位目標を具体的にメンバーに展開する
・チームの責任者として、組織成果を出すためのマネジメントを実行する
・メンバーの活動を評価するとともに、成果実現のためのアクションを指南する
・メンバーの能力・意欲アップに力を注ぎ、個々の成果実現をサポートする
・関連部署と折衝・調整しながら、チームの組織内役割を完遂させる
・自らの日常業務は問題なく実行し、将来に向けた動きも推進する

抱えきれないくらいの仕事量になるかもしれないが、重要なのはマネジメントとしてなすべきことをしっかり認識することだ。

本来分離不能だが、便宜上マネジメントを「人」に関するものと「業務」に関するものに分けると分かりやすい。今回は「業務」に関して、特にその質の追求について取り上げよう。

業務は大きく、定型・定常業務と非定型・非定常業務にわけられる。定型・定常業務は、人によって成果のバラツキが少ない業務のこと。多くの場合はマニュアル等があり、なすべきことがある程度決まっていて、実行することが求められるものだ。たとえば工場のライン作業は定型・定常業務の部類に入るが、これはいかに正確かつ効率的に行うことが求められる。

一方、非定型・非定常業務は、人によって成果のバラツキが大きい業務を指す。このような業務はプロセスを管理するのが難しく、成果でマネジメントすべきものだ。

提案型で受注獲得をするような営業は、1件ずつ提案の工夫が必要となり、効率化や量産化が難しい。もちろん、1件の工夫に膨大な時間を費やすと、他のビジネスチャンスを逃すことになるので、成果に見合う投資コストになるようマネジメントしていくことが必要になる。
次ページ > 組織成長に必要な打ち手

文=堀尾司

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事