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2018.12.09

「ミシュランガイド京都・大阪」ガラディナーに見る和食の展望

ガラディナーに参加した料理人ら

10月9日、『ミシュランガイド京都・大阪』刊行10周年の記念ガラディナーが開催された。

三つ星として掲載された8店の料理人が手がける一夜限りの懐石料理のコースが実現し、ユネスコ世界無形文化遺産に認定されている「和食」の本場・京都ならではの美食の祭典となった。



美食のガイドブックとして知られる「ミシュランガイド」。その2018年度の京都・大阪版の三つ星として名を連ねた京都の料理人が、ひとつの懐石料理のコースを作り上げるという、夢のようなディナーが、京都ホテルオークラで催された。

至高の懐石料理が供されるとあって、海外からも多数のゲストが訪れ、伝統芸能の家元や伝統工芸の老舗の主人、また京都の政財界のトップなど華やかな顔ぶれが集結。

美食家たちを前に、日本ミシュランタイヤの代表取締役社長 ポール・ベリニオ氏が「ミシュランのガラディナーは日本初。8人の三つ星料理人が、最高の食材と技術の粋を結集させて作った一夜限りの特別コースを堪能してほしい」と挨拶した。



続いて、西脇隆俊京都府知事が「四季折々の素材を用いて繊細な味わいを生み出す和食は、世界に誇る食文化」と述べ、門川大作京都市長は、両端が削られた利休箸を手にして「神様と人がともに自然の恵みをいただく、というのがこの箸の由来。こうした日本古来の食文化が育んだ哲学を理解し、感謝しながら、今日のディナーを堪能してほしい」と語り、乾杯の音頭をとった。

このガラディナーの監修を担当したのは、菊乃井本店三代目主人の村田吉弘さん。日本の食文化の普及と振興に寄与した功績で2018年度の文化功労者にも選ばれ、伝統的な京料理の継承と発展に尽力している。



村田さんが理事長を務める日本料理アカデミーでは、食育活動を推進し、また日本料理コンペティションを主催し、京都のみならず日本全国から人材の発掘と育成に日夜取り組んでいる。いわば和食研究の総本山ともいえる機関だ。
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text and edit by Hiromi Tani

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