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I cover enterprise adoption of blockchain and cryptocurrency.

Andriy Blokhin / Shutterstock.com

米国証券取引委員会(SEC)はICOを通じ、未登録のセキュリティトークンを販売し、合計2700万ドルを調達した2つのスタートアップ企業に、罰金を課すことをアナウンスした。

2社のうち1社は、ボストン本拠の「CarrierEQ」。同社は新興国向けにモバイルバンキングを提供するプロジェクトAirfoxをイーサリアムのプラットフォームで立ち上げ、ICOで1500万ドルを調達したが、25万ドルの罰金支払いに同意し、調達資金を返還する。

もう1社は同じくイーサリアム上で、合法大麻の販売プラットフォーム構築を目指す「Paragon」。同社も25万ドルの罰金支払いに同意し、ICOで調達した1200万ドルを返還するという。

CarrierEQとParagonの2社は、この件に関して肯定も否定もしていない。

SECは11月8日に有価証券とみなされるトークンを無許可で発行していたとして、分散型取引所イーサデルタ(EtherDelta)の創業者ザッケリー・コバーン氏を起訴しており、今回の2社に対する罰金支払い命令は、今後のさらなる取り締まり強化を示唆している。

SEC執行部の共同ディレクターStephanie Avakianは次のように述べている。「我々はICOを通じてセキュリティ(証券)を発行する企業は、既存の法令や規則を遵守する必要があることを明確にしようとしている。今回の事案は、同様の行為を検討中の企業らに対し、当局が連邦証券法違反に問う可能性を示している」

SECは2社に対し、トークンを証券として登録することと、少なくとも年に1度、報告書を提出することを命じた。SECはイーサデルタの創業者に対しては、40万ドル近い罰金を科していた。

今回の2社に対する罰金措置は、SECが詐欺ではないICOに対し初めて民事罰を科そうとした昨年のMunchee Incの事案から、ほぼ1年が経過したタイミングで行われた。MuncheeはiPhoneユーザーらに、レストランのレビューを投稿させるプロジェクトを運営していたがその後、プロジェクトを停止した。

Muncheeはトークンの発行を行う前にプロジェクトを停止し、資金の返還を行ったため処罰を免れていた。

今回のCarrier EQとParagonに対する措置は、仮想通貨市場全体の下落のなかで明るみに出た。全仮想通貨の合計時価総額は過去1週間で、約2120億ドル(約24兆円)から約1830億ドルにまで下落している。これまでの推移からいうと、規制当局の今回のような決定は、ビットコインやその他の仮想通貨の価格に短期的な打撃を与えていた。

編集=上田裕資

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