香港証券取引所に提出した声明でメイトゥは、2018年下半期(12月31日まで)の純損失が9億5000万元(約155億円)から12億元のレンジになる見込みであると述べた。昨年同期に同社は1億9700万元の損失を計上していた。メイトゥの2018年上半期の損失は1億2740万元だった。
損失の拡大はスマートフォンの販売台数の縮小に起因している。メイトゥは昨年、5機種のスマホを市場に投入したが、今年は1機種のみだった。また、端末の平均販売価格や利益も低下した。
「スマートフォン市場では競争が激化し、この流れは2018年後半も継続する。当社のスマホ事業の黒字化は難しい」とメイトゥは声明で述べた。
「戦略の見直しを進め、ユーザーベースを拡大するうえで、スマホ分野で成長余地を持つパートナー企業との提携が得策であると判断した。提携により当社のスマホを今後、数千万人、もしくは数億人のユーザーに届けていくことを目指す」と同社は続けた。
メイトゥによると、シャオミとの提携によって同社は、次世代の画像プロセッシング技術に注力していくという。また、提携により得られた資本を、R&Dやサプライチェーンの整備、小売分野での新たな試みに投入するという。
メイトゥの株価はここ1年で61%の下落となっている。同社の会長で著名投資家のCai Wensheng(蔡文胜、マイク・カイ)は、フォーブスの2018年の中国の富豪リストの380位にランクインしており、推定資産額は8億9000万ドルとされている。シャオミ会長のレイ・ジュンは同ランキングの11位で、推定資産額は119億ドル(約1.3兆円)だ。