これまで実直なまでに中立を保ってきたエリザベス女王と違い、チャールズ皇太子は権利を奪われた人々への同情や、環境保護と有機農業の推進への関心、地球温暖化への懸念や伝統建築への愛着を公に示してきた。
ガーナのココアファームを見学するチャールズ皇太子
チャールズ皇太子は長年にわたり、歴代政権に宛て送付した書簡で、こうした議題に対し意見を表明してきた。皇太子の立場は政治的な流れに反することが多く、時に議論を呼んできた。
欧州連合(EU)離脱をめぐり揺れる英国では今、継続性と国民的合意を保証する礎としての王室の重要性は増しており、チャールズ皇太子が政治には関わらないとの意思を表明したことは特に重要だ。
コリンズは「Manifesto for the man who will be king(国王になる人物へのマニフェスト)」と題した記事で「チャールズが今週、王位を継承したら政治には口を出さないことを明確にしたのは賢いことだった。だが、改革派の国王になることをためらうべきではない。長男のことを考え、自分自身の示してきた模範を回顧するべきだ」と述べた。
また英タブロイド紙サンのコラムニスト、カレン・ブレイディーは、「チャールズを中傷するのをやめ、支援しよう」と訴えており、チャールズ皇太子は「仕事に熱意を注ぎ、どうすればそれをうまくこなせるかを理解できる成熟さを持つ立派な人間」であり、「どんな親でも誇りに思うような素晴らしい息子たちを育て上げた」と指摘している。