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ネスレ日本の高岡浩三社長(撮影=岡田晃奈)

「物事を学ぶとか、覚えるとか、そういうスタンスではイノベーションを起こせる人材は育たない」

こう話すのは、キットカットの受験生応援キャンペーンや、ネスカフェアンバサダーを大ヒットさせ“カリスママーケター”として知られるネスレ日本の高岡浩三社長だ。これまで持続的にイノベーションを創出できる組織づくりを目指し、社内で次世代教育に力を入れてきた。

しかし、ノウハウ自体を教えることはできるが、重要なのは考えること。自ら考え、イノベーションを起こせる人材を育てたい。そんな想いから高岡は個人会社ケイアンドカンパニーを立ち上げ、今年10月、「イノベーションスクール」を開講した。



「カリスマ」のノウハウは引き継げるか

突き抜けるためには、自分で考えることが必要だ。当たり前とされていることも、「本当にそれでいいのか?」と疑ってみる。こうした作業の反復が、高岡をカリスママーケターに、そしてカリスマ経営者に育てた。ネスレ日本の業績は、2017年12月期まで8期連続増収増益を続けている。

高岡は、「経営者にとって『V字回復』なんて難しいことではない」という。底まで落ちた業績は上がるしかないからだ。「経営者にとって困難なのは、V字回復後に5年、10年と成長を維持することなんです」

例えばヒット商品があったとしても、その寿命は長くて2〜3年程度。10年成長を持続させるためには、予想される変化を捉え、先回りして手を打ち続けなければ、やがて業績は踊り場を迎えることになる。変化を察知すること、それに対して打つべき手を考えること。そこに確かなノウハウがあるから、高岡は右肩上がりを維持できている。

景気動向の変化やデジタルデバイスの進化、社会の高齢化……。高岡が“カリスマ”と呼ばれるのは、こうした変化の波の中で常に成果を出し続けてきたからだ。

では、どんな環境でも勝ち続ける人は、何が違うのか。そして“カリスマ”のノウハウを企業内に蓄積することはできるのか。

「覚える」学校から「考える」学校へ

「グローバルにイノベーションを起こしたオーナー経営者を見ていると、その後を継げるようなイノベーターを育てることに成功した例がほとんどないんです」

次世代の育成には、高岡自身が強い危機感を抱いてきた。半ば諦めるような気持ちがあったという。だが、「大企業こそ挑戦するべきだ」と考え直し、イノベーターを育てる取り組みを始めた。ネスレ日本で「イノベーションアワード」と呼ばれるそれは、全社員が参加して新規プロジェクトを提案するもので、選出された企画は小規模な予算をつけて進めていく。「やりっぱなし」にせず、結果まで追いかける。

「こうした取り組みの成果が出てきたので、そこから得たノウハウも含めて社会に還元していきたい。日本の将来を考えると、伝えるべきは次世代を担う中堅管理職層だと考えている」

10月に始まった「高岡イノベーションスクール(TIS)」は、培ったノウハウを公開し、イノベーションを生み出せる人を育てるのが狙いだ。大勢を前に年間30本ほどの講演をこなす高岡だが、TISは50人ほどのコンパクトな規模で、受講者との近距離でのディスカッションに重きを置いている。



第1回は、イノベーションの定義をテーマに、「イノベーション、リノベーション、クリエイティブとは何か?」と当たり前のように使われる言葉に向き合うことから始まり、最後は受講者たちの実体験にまで話題が及び、議論が交わされた。

「より多くの人に伝えたい」という高岡の想いから、第2回からオンラインでの受講も始まる。受講者には新規事業に取り組む人、悩む人、イノベーションへの感度が高い人が多く、そこで出るリアルな質問もと高岡による即興の返しも見所のひとつ。段階的にではあるが、いずれは受講者の構成も考え、「見て面白い」ディスカッションへと質を高めていくという。

第2回は11月27日。環境の変化の中で消費者が直面するようになった「新しい現実」を見出す手法を取り上げる。高岡が成功させた全てのキャンペーンに共通する、問題発見の考え方とは──。


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高岡イノベーションスクール
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編集=大木戸 歩

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