研究者らは、その年ワクチンを接種した子どもと接種していなかった子どもの間でインフルエンザの陽性反応がでた割合を比較し、インフルエンザワクチンの有効性を測ることを試みた。もちろん、これはワクチンの有効性を測る手法としては幾分間接的なものだ。また、熱や呼吸器疾患で診療所を訪れる子どもたちが必ずしも一般集団を代表しているとは限らない。
それでも同研究では、前年にワクチン接種を受けていることで翌年のワクチンの有効性が低下したという証拠が見られなかった。つまり、研究結果に基づくと、前年ワクチンを受けていることでワクチンの有効性が下がり、今年インフルエンザにかかりやすくなることはない。また同研究結果からは、前年ワクチンを打つことで特定のタイプのインフルエンザ(B型)に対する効果がさらに高まることも示された。
では、米疾病予防管理センター(CDC)も推奨するように、毎年インフルエンザの予防接種を受けてはどうだろう? インフルエンザに対する免疫を最大化するには、毎年ワクチンを接種することが必要だ。どんなに健康な人でも死亡する可能性のあるインフルエンザウイルスに対し、免疫を著しく向上させると科学的に証明されている方法は、この他にはないのだ。
健康的な食事をし、運動を継続することである程度の効果は得られるだろうが、サプリメントや特定の食品、魔法の薬などではワクチンと同様の免疫は期待できない。実質的な科学的根拠がないにもかかわらずインフルエンザの予防効果をうたうサプリメントの売り文句は聞かないことだ。長い間ずっと着たままの下着が臭うように、偽りのインフルエンザ予防効果を主張する商品も、かなり怪しいにおいがすることがある。