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シルビア・シーベル/ Dell Inc.グローバルコンシューマー&スモールビジネスマーケティング担当 バイスプレジデント

世界的なPCメーカー・デルでグローバルのマーケティングを担うバイスプレジデントのシルビア・シーベル氏がこのほど来日。Forbes JAPAN編集部のインタビューに応じた。

デルのコンシューマー&スモールビジネス向けマーケティングの分野を、欧州、日本、インドなど広範囲で統括。世界に約80人の部下を率いながら、妻として、母親としての役割もこなすマルチタスクな彼女。その強みは「フレキシビリティ」だという。

自身はドイツ人で、夫はフランス人。米国のデル本社勤務となったとき、家族でテキサスに引っ越した。グローバルの最前線で活躍する彼女に、仕事や家庭との向き合い方や、そのフレキシビリティの源泉を聞いた。


──どのような経緯で現職に就いたのでしょうか。

もともと多国籍企業で働くことに興味がありました。デルに入社した2001年当時、私は家族でスイスのジュネーブに住んでいて、デルのオフィスもジュネーブにありました。そこでマーケティングの仕事に応募し、入社できました。

私は本社で働きたいと思っていましたので、ジュネーブで7年間働いた後、デル本社のある米国テキサスのオースティンに移りました。それまではヨーロッパを拠点とした仕事でしたが、リーチを広げることができ、マーケティングの新たなスキルを磨き続けることができました。そして約2年前、私は現在の仕事を引き継ぎました。

──本社勤務を機に、ご家族でオースティンに引っ越されたのですか?

そのとおりです。私の夫はフランス人、私は元々ドイツ人で、どこに住みたいかということについてはよく相談していましたが、最終的に、私たちはいつもアメリカに住んでみたいと話していました。

子供たちは当時8歳と9歳。彼らの学んだ最初の言語はフランス語です。ドイツ語は話しますが、英語は話せませんでした。そんな中私たちはアメリカに移住したので、彼らにとって良い経験だったと思います。新しい言語を学ばなければならなかったのですから。

そして私たち夫婦も、新たなライフスタイルに適応しなければなりませんでした。とはいえ、私たちはまだ、ヨーロッパを心から感じています。ヨーロピアンスタイルで生活し、ヨーロッパ産の小麦を使っています(笑)。



アメリカの人たちはとてもフレンドリーで親切。オースティンでの生活は大好きです。SXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)の舞台でもあるテキサス州のシリコンバレーでは、国際企業もたくさんあり、多くの国際人がいます。これこそ私たちが望んでいたものでした。私たちは子供たちが国際的な多文化環境で育つことを願っていましたので、その願いを愛するオースティンで実現できました。

──ご家族があなたのお仕事に合わせて引っ越したのですね。日本ではまだ珍しいことかもしれません。

そうですよね、非常に興味深い質問です。ドイツ人の女性も非常に伝統的な役割を担っており、伝統的には夫が主に収入を得ていましたが、近年は明らかに変化しています。私たちがジュネーブにいたときは、実際私たちにとっても夫の方が大きな収入を得ていました。

一方で私たちは2人とも引っ越しをしたいと思っていましたし、夫が彼自身の専門分野に変化を求めていたちょうど良い時期でした。私としても、「変えたいなら変えてしまおう!」という思いでした。

もちろん、まだ多くの企業が女性にこのようなチャンスを与えるわけではないと思いますが、デルは本社勤務の機会を与えてくれました。私はオースティンへの転勤を決め、私たちは家族で引っ越しました。夫が寛容でいてくれたことが幸運でした。大きな冒険でしたが、人生は冒険です。

──素敵な考え方ですね。

ええ。実際、正直なところ周囲の支えが必要なことでもあります。私の母はその時にちょうど仕事を退職していましたので、定期的に来て、子供たちの面倒をみてくれていました。とてもありがたかったです。

夫はその後会社を立ち上げ、家で仕事をしています。これも明らかに子供たちの助けになりました。おかげですくすくと成長してくれました。

──自身のキャリアのハイライトについて詳しく教えてください。

確かにオースティンの本社に異動したのはハイライトでした。新たな仕事や文化を学び、新しい働き方を学びました。ヨーロッパで働くこととアメリカで働くことは明らかに違います。私にとっては大変刺激的でした。今では仕事が増えて、大きなチームができました。

私の仕事では多くの異文化に触れることができ、またその中で出会う人々がいます。たくさん出張をしますが、それは本当に素敵なことです。そして、私のキャリアで最も誇りにしているのが、築き上げて来た私のチームです。国際的なチームを持つことができた。これも本当に私のハイライトですね。

文=飯村彩花、林亜季 写真=林亜季

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