大人の男の余裕を漂わす「ジャケット」

「リレーション」シリーズのジャケットとベスト

持ち物にはその人の品格が出る。よい物には理由があるのだ。

ファッションディレクターの森岡 弘とベテラン編集者の小暮昌弘が「紳士淑女が持つべきアイテム」を語る連載。今回は、日本のスーツブランドの代表「ダーバン」のジャケットとベストをピックアップ。


森岡 弘(以下、森岡):一般的にはあまり知られていないことですが、ここ10年くらいでしょうか、ファッションでは日本製の服が注目を浴びています。スーツでも状況は同じです。

小暮昌弘(以下、小暮):世界的に見ても、既製品としてスーツを仕立てられるのは、イタリア、中国、そして日本など数カ国しかありません。なかでも職人的なスーツをつくれるのはイタリアと日本くらいです。

森岡:そうなんです。そこで今回は日本のスーツブランドの代表「ダーバン」です。正統派ビジネスマンに圧倒的な人気を誇るブランドではないでしょうか。

小暮:創業は1970年。私たちの世代で言えば、「ダーバン」というとフランスの名優アラン・ドロンのコマーシャル。フランス語で都会的な(De+urban)ということから命名されたブランドです。

森岡:「D’urban, c’est l’élégance de l’homme moderne.(ダーバン、それは現代の男のエレガンスだ)」でしょう。覚えています。外国のスーツブランドだと思っていた方もいらっしゃるんじゃないですか。

小暮:そうですね。あのコマーシャル、あまりにもカッコよかったですからね。そう言えば、九州の宮崎の自社工場にも以前行きました。素晴らしい施設で驚きました。

森岡:日本製で、とにかく品質は折り紙つき。しかし雰囲気はまさに海外、いやグローバル感覚。世界中、どこに出て行っても着映えするような佇まいをもっています。素材はイタリア製などの極上の生地を積極的に取り入れています。

小暮:世界的に有名なメーカー、イタリアのロロ・ピアーナ社との取り組みは、今年で20年を迎えるそうですよ。
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text by Masahiro Kogure | edit by Akio Takashiro | photograph by Masahiro Okamura | fashion direction by Hiroshi Morioka | iliustration by Bernd Schifferdecker

この記事は 「Forbes JAPAN ストーリーを探せ!」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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