そんな中、ラグジュアリーファッションに特化したECプラットフォーム「ファーフェッチ(Farfetch)」の流通総額(GMV)は今年、初めて10億ドル(約1130億円)を大幅に上回る見込みだ。
ロンドンに本社を置く同社は11月8日、9月の株式公開後初となる四半期決算を発表した。同社プラットフォームの第3四半期GMVは3億600万ドルにのぼり、前年比で53%増。これは、同じ業種の成長率と比べて倍だという。
第4四半期のGMVは、推定を上回る4億3500万〜4億4500万ドルとなるとみている。2018年の累計にこの予想額を加えれば、2018年の流通総額は13億8000万ドルに達する。
高級品の購入もオンラインで
ファーフェッチの創業者で最高経営責任者(CEO)のジョゼ・ネヴェスは声明で、「ラグジュアリーファッション業界のオンライン売り上げは、今後10年間で1000億ドルまで拡大すると考えている」と述べた。
高級ファッショングッズをオンラインで購入したいという消費者の欲求を示すように、ファーフェッチで過去12カ月に注文した人の数は、第3四半期に42%増えて120万人に、注文点数は55%増えて66万3000点となった。しかし、平均購入額は前年に比べるとやや(3%)減少し、585ドルとなった。
ファーフェッチは、株式公開前の8月に規制当局に提出した報告書のなかで、コンサルティング企業ベイン・アンド・カンパニーの調査を引用。業界全体では、個人向けラグジュアリー市場でオンライン販売が占める割合は、2017年の9%から、2025年には25%に増える見込みであると述べた。また、市場全体としては、2017年から2025年の成長率は45%で、4460億ドル規模になるとした。
狙いはミレニアル世代とZ世代