外観はほとんどそのままに「激変」 進化したジープ・ラングラー

ジープ・ラングラー

11年という歳月は、多くを変えてしまうに十分の長さだ。アップルストアに初めてiPhoneが登場したのは今から11年前で、それから10回以上アップグレードされてきた。映画「トランスフォーマー」は2007年に封切られ、その後11年間に続編4本が制作された。来月には6作目が上映される。

自動車の世界での11年は、かなり長い。普通なら、カーメーカーが1つの車種を完全にデザインし直し、2代目、場合によっては3代目を販売するのに十分な年月だ。とはいえ、11年間に1モデルのみ、というメーカーもある。例えば、ジープだ。

では、11年の時を経て登場したジープ・ラングラーは、どこが新しいのだろうか?

外観デザインを見る限り、同社のデザイナーは古くから伝わる哲学に従ったようだ。つまり、「それが良ければ、変えるな」ということ。新ラングラーは、一見ほとんど何も変わっていないように見える。



ただ、いくつか変更をあげることはできる。グリルやヘッドライト、テールライト、ホイールアーチにはいくらか違いがある。とは言っても、スタイリストはできるだけ外観デザインは触らないように、ジープのシルエットはなるべく変えないように留意したようだ。

実は、「さりげない変更」はそこまで。ジープ・ラングラーは、完全に生まれ変わったからだ。ラダー型フレームから、車体、インテリア、エンジンそして8速オートマティック・トランスミッションまですべてを一新! それで驚いてはいけない。なんと、新しく搭載する安全機能が70もあるというのだ。

その安全機能は、リバース・カメラ、側方や後方の死角モニター、トレーラー牽引時に横風から生じるふらつきを抑制するトレーラー・スウェイ・コントロール、事故の際、乗員の救出に役立つ室内照明やハザードの点灯を自動的に作動させる事故レスポンスシステム、ACC、レーンキープ、電子転倒防止システム、ヒル・スタート・アシストに緊急ブレーキ……とまだまだ続く。新ジープにないない機能は何か、あるいは、これまで何が付いていたのか、と聞きたくなる。 11年間に安全機能は隔世の進化を遂げているからね。

また、 新ラングラーはこれまでより軽量で機能性が高く、本領であるオフロード性能はもちろんのこと、オンロードでの走行性能まで向上していた。



エンジンは、2つの選択肢がある。改良された 3.6LのV6は、スポーツ・グレードは459万円から。そして新しく登場した2Lターボ仕様は494万円から。さらに来年の春には、もっとオフロード能力が高いルビコン仕様が登場するという。
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文=ピーター・ライオン

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