I write about emotionally intelligent leadership and education.


EQが高い人は、感情をうまく制御し、害のないやり方で表現できる。「thank you, next」は見事な自制の手本だった。自制は、何かを感じた時と、それを表現する時の間に起こる。強い感情に襲われた際、衝動的な反応を抑えようとする時に取る行動(10まで数える、理想の自分ならどんな対応を取るか自問するなど)が自制だ。

私が所属するエール心の知能指数センター(Yale Center for Emotional Intelligence)では、これを「メタ・モーメント」と呼ぶ。感情を表に出す前に一瞬の間を取って、「理想の自分ならどうするだろう?」と自問するのだ。グランデの場合、理想の自分なら、新曲の歌詞通りに「元カレには超感謝してる」と言うのだろう。

感謝は、ある出来事をポジティブにとらえ直し、自制するのにとても役立つテクニックだ。グランデが破局という出来事を捉え直した方法はシンプルだ。失ったものにのみ込まれず、代わりに自分が持っているものや、失ったものから得たことを思い出すこと。グランデはこう歌っている。

「愛して失った/でも私に見えるのはそれじゃない/私が手に入れたものを見て/あなたが教えてくれたことを見て」

これまでに行われた研究では、心の知能指数が高い人は感謝の心を持つ傾向にあり、感謝することで心の健康を向上させることができることが分かっている。

メディアの多くは、アリアナが「thank you, next」で見せた立派な態度をたたえたが、私にとってさらなる称賛に値することは、アリアナが自力でそこに到達したわけではないと明かしたことだ。アリアナは数日後にツイッターで、「セラピーが私の命を救った」と書き込み、ファンに対して恐れずに助けを求めるよう呼び掛けた。

アリアナは、自分には「すべきことがたくさんあるけど、それが可能だと気づけることがスタート」と投稿している。アリアナが持つ自己改善に対する強い意志は、「thank you, next」が持つ自己愛のメッセージにはっきりと反映されている。

編集=遠藤宗生

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