レストラン業界に革命を起こすスタートアップとして注目なのが、米ボストン本拠の「Spyce」だ。Spyce は7台の自動調理ロボットが健康的な食事を用意する、ファスト・カジュアル・レストランで、MIT(マサチューセッツ工科大学)の卒業生のMichael Faridらが立ち上げた。
ロボット技術に強みを持つ彼らは、ミシュランで星を獲得したシェフのDaniel Bouludと共同で、厨房が完全に自動化されたレストランを設立。チキンボールやベジーボールなどを1食7.5ドルで提供している。Spyceは累計で2480万ドル(約28億円)の資金をKhosla VenturesやMaveronらから調達している。
(photo courtesy of Spyce)
一方、学生向けローンを提供する企業「Frank」を2016年に設立し、累計1600万ドルを調達した26歳の女性起業家が、Charlie Javicだ。ペンシルバニア大学出身の彼女は学生がローンを組む場合の審査プロセスを合理化し、支援を求める学生たちが資金を受けやすいプラットフォームを構築。これまで30万人以上の学生を支援してきた。FrankにはAlephやSlow Ventures、Apollo Global Managementらが出資を行っている。
さらに、宇宙関連のスタートアップ企業で注目なのが、「Relativity Space」だ。ブルー・オリジンとSpaceXでの勤務経験を持つJordan NooneとTim Ellisが立ち上げた同社は、著名ビジオネアのマーク・キューバンの支援も受けており、累計4500万ドルを調達している。同社はロケットを丸ごと3Dプリンターで製造し、新世代の宇宙スタートアップのリーダーになることを目指している。
本年度の30アンダー30で、最も巨額な資金調達額を行っている企業が、企業価値11億ドルで累計2億1300万ドルを調達したフィンテック企業「Brex」だ。スタートアップ企業向けにクレジットカードを発行する同社は、現在23歳のHenrique Dubugrasと22歳のPedro Franceschiにより設立された。
同社にはYコンビネータやDST Globalも出資し、ピーター・ティールやマックス・レヴチンなどの、「ペイパルマフィア」と呼ばれる人々もエンジェル投資家として名を連ねている。
フォーブスは本年度の30アンダー30に登場したメンバーのうち、累計1500万ドル(約17億円)以上を調達したチーム30組を「BIG MONEY」というリストで紹介している。その詳細は、https://www.forbes.com/30-under-30/2019/big-money/ から確認可能だ。