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2018.11.15

忙しい現代人に健康的な食事を 米国で菜食系調理済み食品が人気

Karpenkov Denis / Shutterstock.com


ファクラーがより良い食生活について調査を始めたのも、この時だ。自分と同じ立場の人は他にもいるだろうと確信していた。実は、専業主婦だった姉妹のモニカ・クラウスナーも、家族のために健康的なインスタント食品を探していた。ファクラーとクラウスナーは2013年5月、わずかな資金を元手にビーストロを設立。それ以降、売り上げの成長率は毎年、平均120%を記録している。

ビーストロは朝食、主菜、スープ、ジュース、デザートメニューを提供している。主菜と食事の価格設定は大半が10.99~11.99ドル(約1250~1350円)だ。メニューにはナスのキャセロールや、ケールとキヌアのサラダ、黄金色のひよこ豆シチューなどに加え、フライドチキンやシェパードパイなど一般的な料理のビーガン版が並ぶ。

ファクラーによると、有機食材の確保が不可能な場合や価格が高過ぎる場合を除き、食事は主に有機食材でできている。また、果物や野菜の約90%は、地元の有機農場から仕入れるロサンゼルス地域の青果物集約業者から調達されている。

ビーストロでは、売れ行きの良くない料理を新たな料理で置き換えているが、メニューの大半はそのままだ。顧客が気に入った料理をリピートできるようにするため、とファクラーは述べた。

ビーストロの減量メニューは定期購入が可能だが、ほとんどはアラカルト注文方式だ。ファクラーは「全てを定期購入方式にすることにはとてもためらいがあった。私は他社で定期購入を利用したことがあり、キャンセルするのがとても難しいことがあったから。当社では、顧客にそのように感じてほしくなかった」と語る。

創業時から集めているデータによると、顧客層は変化している。野菜中心の食事に興味を持つ消費者がサービスを試し、その後リピートするケースが増えているのだ。

同社が毎年実施する顧客調査からは、あるパターンが浮かび上がってきた。ファクラーによると、創業1年目の商品購入者の90%はベジタリアンかビーガンだったが、2018年初めに実施された最新調査では、ベジタリアンやビーガンの比率は58%だった。

「菜食主義者ではないけれども、週に1、2回は当社の食事を試したいと考えている人が多いことが分かる」とファクラー。「当社の最終的な目標は、全ての人をビーガンにすることではなく、野菜や果物の摂取量を増やすようあらゆる人を説得することだ」

翻訳・編集=出田静

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