ビジネス

2018.11.14

スタバの「ホリデーカップ」 毎年のデザインが注目される理由

今年のホリデーカップ(photo courtesy of Starbucks)


スターバックスは、オーダーの仕方からバリスタが客を名前で呼び出すやり方まで、客が経験する強力で効果的なルーチンを構築してきた。同社は宣伝通り、客一人一人のアイデンティティーを大切にしている。スターバックスのブランドと商品は、消費者にとって自分の個性を表現する手段となっている。

ブランドは、人々の自己表現だけでなく、馴染みのあるものを好む傾向にも訴えかけている。人間は習慣に従う生き物だ。ルーチンを好み、それが乱れることを嫌う。

トロピカーナが、自社ブランドの象徴だったストローの刺さったオレンジのマークをやめ、オレンジジュースの入ったグラスを数年間にわたりパッケージにデザインしたことで、何が起こったかを考えてみてほしい。客がトロピカーナから離れていってしまった。

「トロピカーナ・ピュア・プレミアム」の売上は、パッケージの変更から2カ月で20%下落したとされる。商品内容はそのままで、単にロゴを変更しただけで数千万ドル(数十億円)を失ったのだ。トロピカーナはその後、新ロゴを撤回し、馴染みのあるロゴへと戻した。

ホリデーシーズンは、消費者のルーチンの一部となっている一連の伝統やシンボルと関連付けられている。消費者は、こうした馴染みのあるシンボルを目にすることに対する期待や、欲望さえも持っている。多くの消費者にとって、スターバックスのホリデーカップはホリデーシーズンの訪れを示すものとなっている。スターバックスは、カップの新しいデザインがこうした消費者に受け入れられることを願っている。

編集=遠藤宗生

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