地元メディアによると、ここには10頭のシャチと90頭のベルーガ(歯クジラの一種)が含まれている。ベルーガは歌のような声を発するので、海のカナリアと呼ばれている。
檻の管理は地元の4企業が行っているようだが、彼らはクジラの捕獲や販売を禁止する国際条約に違反している可能性が高い。地元メディアのNovaya Gazetaによると、4企業らは過去に13頭のオルカを中国に輸出していた。調査によると、これらのクジラたちは7月から檻に入れられている模様だ。
4企業は年間13頭のオルカを調査目的で捕獲する許可を得ているようだが、地元の当局は企業らの報告が虚偽ではないかの調査を進めている。ドローンから撮影された映像には、タンクに入れられたクジラがリフトで運ばれる様子も映っているが、目的地がどこなのかは不明だ。
国際捕鯨委員会(IWC)は1982年に「商業捕鯨モラトリアム」を採択し、商業捕鯨は事実上禁止された。しかし、ロシアや日本などはこの決定に反発している。ロシアで捕獲されたクジラの多くは、子どもや幼児だとみられている。
中国には60以上のマリンパークが存在し、クジラは非常な高値で取引されているという。イルカ科に属するシャチは高い知能を持つことで知られ、子どもたちに会話の仕方を教えているとされる。
2013年のドキュメンタリー映画「ブラックフィッシュ」は米フロリダ州のSeaWorldのシャチが、劣悪な環境に置かれていることを告発した。米国ではマリンパークの人気は低下しているが、中国でマリンパークは新たな娯楽施設として増加が続いている。これにより、クジラだけでなくイルカなどの海洋哺乳類の違法な取引が増加している。