閉じる

I look at the impact of mobile technology and online media.

Hadrian / Shutterstock.com

アップルCFOのルカ・マエストリは先日、今後は決算発表の場でiPhone、iPadおよびMacの売上台数を公表しないと宣言した。iPhone 6とiPhone 6 Plusの発売以来、iPhoneの販売台数は伸び悩んでおり、アップルは個別の製品価格を引き上げ、マージンを増やすことに注力してきた。

しかし、アップルが販売台数の非公開を決めたことは、同社が今後、ハードウェアではなく、ソフトウェアやその他のサービス部門の収益を軸に据えようとする姿勢とも受け取れる。

筆者は、これを実現するためにはかなりの時間が必要になると考えていた。そして、最新のレポートで、アップルが「求めやすい価格」の端末として売り出したiPhone XRですら、当初の売上目標を達成できていないという事実が明らかになった。

フォーブスのGordon Kelly記者は10月の記事で、iPhone XRが予約の受付開始から数日が経っても「発売開始日に入手可能」になっていた事実を指摘した。iPhoneの最新モデルはこれまで、発売から数時間で売り切れになるのが通例だった。

その後、11月6日になって複数のメディアが「アップルはiPhone XRの製造台数を6000万台から4500万台に引き下げた」と報道した。これは大幅な下方修正だ。

それでは代わりに何が売れているのだろう。昨年の発売当初の価格から100ドル値引きして販売されているiPhone 8と8 Plusだ。アップルの「高価格なモデルで利幅を確保する」という戦略は、消費者が割安な端末に向かうなかで実現が危ぶまれている。

昨年のiPhone Xの場合も、iPhone 8やiPhone 8 Plusに客を奪われるかたちで、予想を下回る売上になっていた。そして、今年のXRやXS、さらにXS Maxも同様な運命をたどることが予測される。アップルの販売台数非公開の決定は、iPhoneの売上が総じて下落基調のトレンドにあるなかで、なされたのだ。

この状況下でアップルが、ソフトウェアやその他のサービス部門で売上を回復することは可能だろうか? アップルの売上の59%がiPhoneからもたらされているなかで、これはかなり難しいチャレンジになる。サービス部門の売上は15%でしかない。

そもそも、ハードが売れていないなかで、サービス部門の売上を伸ばすという発想に無理がある。サービスの利用にはハードウェアが必要なのだ。

ティム・クックの手腕によりアップルは今年、時価総額1兆ドルを超える企業にまで成長した。しかし、彼の手腕でアップルが今後もそのポジションをキープできるかどうかに、疑問符が灯りつつある。

編集=上田裕資

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい