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エミネム(Photo by Kevin Mazur/WireImage)

音楽業界ではストリーミングの隆盛が伝えられる一方で、CDの深刻な売上低下が指摘されている。しかし、先日「ビルボード」が掲載した記事で、意外な事実が明らかになった。

エミネムや、レディ・ガガなどの有名アーティスト4組のアルバムのCDは、発売直後にソールドアウトになったという。また、これらのアーティストのCDが発売日に店頭に並ばなかった事例も報告されている。

背景には複数の要因があげられる。予想を超える人気によりCDの在庫が枯渇したケースもあれば、流通の問題で商品が届かなかった例もある。大手レコード会社の多くは現在、CDの製造をメキシコの工場に委託しており、生産の遅延が生じている。

CD市場は縮小が続いているため、年末商戦をひかえたこの時期に、十分な数の働き手を確保できていない工場も多い。これにより、通常なら3〜4週間で納入可能だった製造枚数の確保に、4〜6週間が必要なケースも増えた。

これはレコードの生産に必要な10〜12週間に比べればまだ短期間といえるが、エミネムの「カミカゼ」のようにサプライズでリリースが決まる作品の場合、発売日までにCDの製造が間に合わないケースも発生している。

CDのセールスはかつてに比べると大きく落ち込んだとはいえ、ニールセンのデータでレディ・ガガの映画「A Star Is Born」のサウンドトラックCDは、米国でこれまで11万1000枚が売れた。また、エミネムの「カミカゼ」のCDは6万8000枚を売り切っている。

しかし、全米レコード協会(RIAA)のレポートによると、CDの売上が急落しているのは事実だ。2018年上半期の米国のCDの出荷枚数は、前年同期から47%減の1860万枚だった。また、CDアルバムの売上は41.5%減の2億4600万ドル(約280億円)だった。

年末の第4四半期には若干の回復も見込めるが、CD市場の縮小は今後も続いていくだろう。

ただし、CDが売り切れになるアーティストが存在していることは、今でも一定の需要がこの市場にあることを示している。CDは今後、レコード盤のようにニッチなカテゴリのアイテムになるのかもしれない。しかし、完全に死に絶えてしまうことはなく、今後もCDというフォーマットを好む消費者は存在し続けるだろう。

編集=上田裕資

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