そこで最近は、「これからは学歴格差ではなく、地頭格差だ」というようなことが謳われ始めました。つまり、地頭は先天的な才能だから鍛えようがないため、学歴社会だった頃よりもさらに残酷な格差が生まれるのでは、という問題定義です。
では、そもそも地頭の良さとはなんなのでしょうか。確かに、「地頭の良さ=生まれつきの能力」というイメージは、もともとの定義として正しいのかもしれません。しかし、僕はこれが生まれつきの才能によるものだとは思っていません。むしろ、後天的に伸ばすことができる能力だと考えています。
というのも、僕なりに社会人生活を営んできて、学歴や出身などに関係なく「この人、なんて地頭がいいのだろう」と感心させられる人には、以下2つの共通点があります。
1. 常に物事を偏見や先入観で見ず、前提条件を疑い、ゼロベースで捉える
2. その上で「これはどうしてだろう?」と疑問を持ち、ひたすらぐるぐると考え続けている
よって、これはあくまで僕の定義ですが、地頭の良さとは、常に目の前の物事に好奇心と疑問を持ち続け、それを鍛え続ける力のことだと考えています。
課題発見の時代に求められる地頭の良さとは?
日本はこれまで、「メイドインジャパン」の高品質かつリーズナブルな魅力で世界経済に貢献してきました。その分、社会に求められてきたのは、トップダウンの管理下で力を発揮でき、かつ学歴による能力の保証がある人材でした。よって教育も、テストの問題を素早く正確に解く力、つまり「課題解決の力」が重要視されてきました。