ダンスも会話も躊躇なし ブラジル人の表現力はこう作られる

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思春期に会話が減る日本人、よく喋るブラジル人

ブラジル人が幸福なのはラテン系の血が流れているからだなんてよく言われるが、血筋だけなのだろうか?

ブラジルには日系人が約190万人いる。実はブラジルは、日本人の血が入った人間の人数が日本の次に多い国だ。日系人は日系人同士で結婚することが多く、ブラジルにいる日系人は、日本語は話せなくても見た目は完全に日本人ということが多い。

そんな彼らと話していて思う。みんなとても幸せそうだ。家族や友人を大切にしていて、会話が豊富だ。日本にいる日本人と見た目は変わらないのに、彼らはとても会話がうまい。自分の人生を生きていくのに、会話の力を身につけるのに、血筋は関係ない。環境が人を作る。



ではなぜ、ブラジル人は日本人より会話がうまいのか? 日本の学校に研修に行ったことがあるというブラジル人女性教師のKlenie Ramos先生に聞いてみた。

「当たり前ですよ。日本も小学校低学年頃まではよく会話していますよね。小学校低学年の教室はとてもにぎやかです。でもなぜか思春期頃から急に教室内の会話は激減する。中学校・高校の授業もほとんど先生が話していて生徒は会話しませんよね。一方、ブラジルは思春期を迎えても、学校でも家庭でも頻繁に会話し続けています。毎日、会話の練習をしているのですから、当然会話がうまくなりますよね」

ブラジル人は、思春期以降の中学・高校時代をどのように過ごしているのだろうか。Klenie先生の教えるレシフェの公立高校Escola de Referência Ginásio Pernambucanoでは、入学時に会話が成り立たないような非行少年も、卒業時には更生されて会話が上手になっていることが多々あると言う。

一体、ブラジルの学校では何が行われているのか。その秘訣を探るべく、同校に3カ月間潜入してみた。次回は、そこで見たブラジル人の幸せの秘訣を紹介する。

文=稲田大輔

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