ビジネス

2018.11.13

「独身の日」売上高の記録更新から見通すアリババの今後

(Photo by Chesnot/Getty Images)


同業他社との競争は激化

米アマゾンが毎年開催するプライム会員向けのバーゲンセール「プライムデー」は、ウォルマートやターゲットなど、同国の小売業者が同様の販促イベントを実施することにつながった。中国でもまた、アリババと競合する中国のEC事業者が独身の日に同様のセールを行うようになっている。

例えば、中国のEC事業者でアリババに次ぐ京東集団(JDドットコム)は、独身の日にセールを行っている。今年の同日のGMV は、1600億元(約2兆6200億円)に上った。

調査会社アナリシス・インターナショナルによると、中国のEC市場におけるB2C(企業と消費者間の電子商取引)のGMVは今年第2四半期、アリババが58%、JDが26%を占めている。

今後の記録更新は可能か

今年の独身の日の売上高は、再び過去最高を記録した。だが、前年比での伸び率は昨年の約40%を下回った。競合するアマゾンもまた、プライムデーの売上高が最高記録を更新したにもかかわらず、今年第3四半期(7~9月)の決算では、EC部門の増収率が予想を下回った。

アリババは各国の競合各社と同様に、積極的に外国での事業拡大を目指している。買収した東南アジアのEC大手ラザダ(Lazada)も今年は初めて、独身の日のショッピング・イベントを行った。

アリババの今後について注目すべき点は、中核となるECやクラウドコンピューティングなどの部門で増収を記録しているものの、今年第2四半期の営業利益は実際のところ、前年同期比で19%減少しているということだ。

編集=木内涼子

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