ビジネス

2018.11.14

イーロン・マスクが示す「地味でも不可欠」な事業への意欲

今年の6月、高速鉄道システムについて話すイーロン・マスク(Photo by Joshua Lott/Getty Images)


時速160km以上のスピードで走行する「スレッド(電気そり)」を使用して「ポッド」内の車や乗客を輸送するこれらのプロジェクトに必要な費用や開業の時期は、今のところ明らかにされていない。だが、安価で利用できるインフラ・サービスは、新たなトンネル掘削技術をスマートに利用したものだとして関心を集めている。

カーネギーメロン大学のコンスタンティン・サマラス准教授(土木環境工学)によれば、「車が都市の地下を移動できるようにするには、多額の費用がかかる。だが、都市の地下に電力や上下水道、通信などの公共施設を地下に敷設することは、極めて重要なことだ。既存のこれら設備の多くは老朽化し、大変ひどい状態にある」。

准教授はまた、「公共施設の改修工事は多くの場合、道路の掘削が必要となり、交通を混乱させることになる」と指摘。「地下の公共施設をボーリングのトンネル掘削技術によってより迅速に建設・改修できれば、それは都市にとっての大きな利益となる」と述べている。

最初の顧客を獲得?

「…われわれは実際に、米国の交通網を変えられると思う。ただ、そのためには各都市の支援が重要だ」と語ったマスクは今回のサミットを、自身の最新のビジネスを売り込むのに最も適した機会と捉えていたに違いない。

ガルセッティ市長は、ボーリングが手掛ける初の下水道トンネルをロサンゼルス市内に作ることに関心を示している。マスクはすでに、低コストで進める同事業の最初の顧客を獲得したということかもしれない。

編集=木内涼子

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