経済・社会

2018.11.14 15:00

「貧困地域の再生」を目指す米超党派グループ

米上院議員のティム・スコット(右)と連続起業家のショーン・パーカー(左)

「途方もない可能性を秘めた数多くの子供たちが不本意に命を落とすのを見てきました。ここでは葛藤や苛立ち、絶望が蔓延しています。だからこそ、違いを作りたかったのです」

地元でそう話すのは米サウスカロライナ州選出の共和党議員ティム・スコット(53)だ。そして、その夢がついに叶うかもしれない。

米議会は昨年、超党派の議員グループが提案した、貧困地域へ投資することで税制優遇策を得られる法案を可決した。この法案では、投資家は「Opportunity Zone(通称:Oゾーン)」と呼ばれる貧困地域へ投資することで節税できる。その投資により、貧困地域で雇用の創出や人の流入が期待できるようになるかもしれないのである。

考案者で、ナップスターを共同創業し、現在は米シンクタンク「エコノミック・イノベーション・グループ」を率いる連続起業家のショーン・パーカー(38)は言う。

「基金に寄付しても国内の貧困問題は解決できない。本当に必要なのは、何兆ドルもの投資だよ」


ティム・スコット◎サウスカロライナ州選出の上院議員。保険業や不動産業を経て、2010年にアフリカ系アメリカ人として初めて同州で共和党下院議員に選出され、12年に上院議員に選ばれた。

ショーン・パーカー◎シンクタンク「エコノミック・イノベーション・グループ」の創業者。ナップスターやフェイスブックを経て、近年は慈善活動に力を入れている。

スティーブ・ベルトーニ = 文 エバン・カフカ = 写真

この記事は 「Forbes JAPAN ストーリーを探せ!」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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