ビジネス

2018.11.14

「今後のアジア発のコンテンツは楽しみだね」ネットフリックスCEOが考えを明かす

インタビューに答えるネットフリックス創業者兼CEOのリード・ヘイスティングス


──アジアは国ごとに経済環境も異なります。価格設定において、何か工夫されるのでしょうか?

「価格設定に関しては、サブスクライバー(有料メンバー)がグローバルで現在、1億3000万人までに増えた結果を見ても分かるように、一定の成果は出ている。」

今後もベストな価格設定は何かを考えていきたいと思いますが、現状はこの価格設定でサービスを浸透させていきたいと思います。

──会員数のKPIなどは追っていくのでしょうか?

特にKPIなどは設けておらず、すべての人にネットフリックスを使ってもらえたら嬉しいですね(笑)。

一般的に一国のマーケットシェアの3分の1を獲得するには5〜10年くらいかかると言われているので、長いスパンで物事を考えたいと思います。



ディズニーの市場参入は「とても楽しみなこと」

──昨日のイベントのオープニングトークで、テクノロジーがどうエンターテインメント業界のことを変えてきたかを話していました。それを踏まえ、ヘイスティングスさんは今後、エンターテインメント業界がどう変化していくとお考えですか?

いま、インターネットは新しいものを創っています。今後もテクノロジーによって、エンターテインメント業界はより良い方向へ変化していくでしょう。

それを踏まえて、私たちネットフリックスは今後もエンターテインメントの会社として素晴らしく、テクノロジーの会社としても素晴らしい会社でありたいと思っています。

──いま、ネットフリックスはテクノロジーとエンターテインメントを見事に融合させ、ユーザーに最適な形でコンテンツを提供しています。今後、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)といったテクノロジーが発展したとき、コンテンツのあり方は変わっていくと思いますか?

いつかコンテンツのあり方も変化する時が来るでしょう。ただ、今すぐに何か変わるわけではありません。

個人的な肌感覚としては、10年後にパラダイムシフトが起きるような気がしています。ビデオゲーム産業はテクノロジーによって、この数十年間で大きく変化を遂げてきました。その変化の後を追いながら、映画産業やテレビ産業も変化を遂げています。この関係性は今後は変わらないでしょう。

いま、注目されているVRやARといったテクノロジーはビデオゲーム産業で活用され始めた後、映画産業やテレビ産業で活用されるタイミングがやってくる。

私の予想では、それが10年後くらい。ですから、いまはテレビとモバイルに適したコンテンツを製作を続けていき、ユーザーに良い作品を提供していきたいと思っています。

──昨今、ディズニーやアップルがオンラインストリーミング配信サービスの市場に参入するニュースが報じられています。これについては、どのようにお考えでしょうか?

とてもエキサイティングです。ディズニーのような巨大なエンターテインメントの会社が、インターネットの重要性にようやく気づき、市場に参入してくる。これは大きなチャンスだと思っています。



もちろん、ネットフリックスにとってはアグレッシブなチャレンジが求められると思います。ただ私自身、スター・ウォーズなどのディズニーのコンテンツを観たいと思っているので、楽しみな気持ちが強いですね。

写真=小田駿一

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