ビジネス

2018.11.14

「今後のアジア発のコンテンツは楽しみだね」ネットフリックスCEOが考えを明かす

インタビューに答えるネットフリックス創業者兼CEOのリード・ヘイスティングス


──『13の理由』は公開前の予想を遥かに超えて、世界中に影響を与えるほどのヒット作になったとお聞きしました。最近、予想以上のヒットだったと感じた作品はありましたか?

『好きだった君へのラブレター』というオリジナル映画は想像以上に人気がありました。最近はラブロマンス系の作品がよく観られているような印象があります。



私自身、最近面白いなと思った作品は『キスから始まる物語』という映画でした。

正直、私の趣味にマッチする作品ではないと思っていたのですが(笑)、周りからの評判を聞いて観てみたら、とても楽しい作品でした。

この経験から、私は改めて「エンターテインメントは何がベストかどうかではなく、どれだけユニークであり、面白いか」が重要なのだな、と思いました。

人それぞれ、趣味や嗜好は異なる。何がいいのか、何がベストなのかを探し、追い求めるのではなく、ユニークで面白い多彩なコンテンツを用意する。そうすれば、いろんな人にネットフリックスを楽しんでもらえるのでは、といつも考えています。

観たい作品を提供し続ける。アジア地域も王道の成功パターンで

──ネットフリックスはアメリカ、ヨーロッパで成功を収め、つぎはアジアに狙いを定めています。アジア市場で「勝つ」ための算段はあるのでしょうか?

私自身、あまり「勝つ」意識は持っていません。大切なのは、常に素晴らしいコンテンツを提供し続けられる会社であることです。

オリジナリティー(独創性)のある作品を配信し、幅広いライブラリーを持つ。それによって、テレビにはない価値をユーザーに提供する。これが何よりも大切です。

現在、オンラインストリーミングサービスの市場は「雑誌」と似ています。



Huluやアマゾン、ユーチューブなど、さまざまなサービスがあります。当然、ネットフリックス以外のサービスに加入している人もいるでしょう。それでいいと思います。

私たちは競合を意識せず、ユーザーが観たいと思っているものを提供する。

引き続き、これにフォーカスしていくだけだと思っています。そうすれば自然とユーザーは付いてきてくれるはずですから。

──アジアと言えば、中国があります。

そうですね、中国は非常に大きなマーケットだと思っていますが、規制の関係からサービスを展開できていません。これはグーグル、フェイスブック、ユーチューブといったサービスも同じ状況です。

ただし、彼らは中国以外のアジア圏では成功を収めています。オンラインストリーミング配信サービスの人気も高まっていますし、アジアは大きなポテンシャルを秘めた市場だと思っています。

今後、アジアからさまざまなコンテンツが生まれるのが楽しみです。
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写真=小田駿一

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