彼は2017年「ハリウッドで影響力を持つ100人のリスト」に同社CCO(コンテンツ最高責任者)のテッド・サランドスと並んで2位にランクインしている。
そんなヘイスティングスがネットフリックスを創業したのは1997年。今から約20年前のことだ。
シンガポールで開催したイベントで「テクノロジーとエンターテインメントの関係性」について話すヘイスティングスCEO。写真はネットフリックス提供。
当時、インターネット環境が十分ではなかったことから、ネットフリックスはDVDを封筒に入れて家庭等に届けるサービスを提供していた(今も小さな規模ではあるが、アメリカのみでDVDの宅配サービスは続けている)。
しかし、いち早く時代の変化に気づき、それに合わせて事業も変化。
オンラインDVDレンタルサービスを経て、現在は映画やドラマのオンラインストリーミングサービスをメイン事業にしている。
当時のヘイスティングスたちに映画製作会社のような知識、ノウハウがあったわけではない。
しかし、ほんの数年間でネットフリックスは製作したオリジナルコンテンツが過去最多23部門でエミー賞を獲得する会社になった。
今やエンターテインメント業界に「ネットフリックス」の名を轟かせている。
なかなかメディアに露出することのないヘイスティングスだが、今回、シンガポールで開催されたイベント「See What’s Next: Asia」で日本人記者向けに約30分間のラウンドテーブルが開かれ、話を聞くチャンスを得た。
ディズニーやアップルがネットフリックスの後を追って、オンラインストリーミング配信の領域に参入することについて聞いてみると、「とてもエキサイティングなことだね」と朗らかな笑顔で語るヘイスティングス。
彼はアジア地域の展開、今後のエンターテインメント業界をどう考えているのか──時間の許す限り、彼に質問をぶつけた。
エンターテインメントはどれだけユニークであり、面白いかが重要
──ネットフリックスはいま、毎週のように新しい作品が追加されていて、マイリストに追加したまま観れていない作品が多くあります。ヘイスティングスさんがいつも欠かさず観ている作品は何かありますか?
ネットフリックスがオンラインストリーミング配信サービスを開始したばかりの頃は、すべての作品を少しずつ観ていました。
ただ、いまは作品数が多すぎて、すべて観ることは不可能になってきていますね(笑)。
個人的に好みの作品を挙げるのであれば、『ボディガード -守るべきもの-』『ザ・クラウン』『ハウス・オブ・カード 野望の階段』、あとは芸術系の作品ですね。
また、最近はロシア発の作品から、ロシアのことについて学んでいます。