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2018.11.12

錦織のATPファイナル出場で期待される「ユニクロへの貢献」

錦織圭(Photo by Thomas Starke/Bongarts/Getty Images)

男子プロテニス協会(ATP)の今年の世界ランキングの1位は、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)となった。ランキングがすでに確定しても、最終戦となる「日東電工ATPファイナル」に向けられる高い関心が、それで薄れることはない。

ロンドンのO2アリーナで11月11日に開幕したこの大会は、年間成績の上位8選手が出場する今シーズン最後のランキング・ポイントと賞金獲得の機会だ。

出場するのはジョコビッチのほか、ロジャー・フェデラー(スイス)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、ケビン・アンダーソン(南アフリカ)、マリン・チリッチ(クロアチア)、ドミニク・ティーム(オーストリア)、錦織圭(日本)、ジョン・イズナー(米国)。

錦織とイズナーは、フアン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)とラファエル・ナダル(スペイン)がけがで出場を辞退したことから、繰り上げで出場権を得た。

全勝で優勝すれば1500ポイントと賞金およそ271万ドル(約3億910万円)を獲得できるこの大会。予選ラウンドロビンでは8選手が2グループに分かれて総当たりで3試合を戦い、上位2選手が決勝トーナメントに進む。

最大の恩恵を得る企業はユニクロ?

この大会に進んだ選手たちが今年、それぞれに成功を手にしてきたことは間違いない。一方、各選手のスポンサーの中で、選手の姿と共により長い「放映時間」を獲得できるのは、どの企業になるだろうか?

スポンサー企業を見てみると、テニスウェアではフィラとアディダス、ユニクロがそれぞれ2人、ロットとラコステが1人ずつと契約。シューズはフィラとナイキ、アディダスが2人ずつ、ロットとアシックスがそれぞれ1人と契約している。

選手とスポンサー企業のエンドースメント契約の影響は広範に及ぶ。その影響力においては、フェデラーを超える選手はいない。フォーブスが今年8月に報じているとおり、フェデラーはエンドースメント契約料だけで、年間約6500万ドルを得ている。

その多くを占めるのが、今年新たにファーストリテイリング傘下のユニクロと結んだ10年間の契約と、ラケットメーカーのウィルソンとの生涯契約からの収入だ。
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編集=木内涼子

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