今年に入ってからは特に、FAANG全体の影響力の大きさが目立っていた。自動車、金融、一般消費財などその他の業種の株価が落ち込む中でも、FAANGはS&P500種株価指数を下支えしてきた。
だが、FAANGの各社が減速し始める可能性があることも確かだ。なかでもアマゾンとネットフリックスの株価は市場が混乱した10月、一時的に大きく値下がりした。
株価の下落は、突然に起きたことだったかもしれない。ただ、これはそれほど驚くべきことでもなかった。各社の株価はその後に反発したが、それぞれが「バリュエーションが高く、逆風が非常に強い」という問題に直面していることに変わりはない。これは、これまでの持続的な成長の速度が今後、鈍化する可能性があることを意味している。
新たな「主力」の登場
こうしたなか、FAANGに代わるどのテクノロジー企業が、今後の市場の動向に影響を及ぼしていくことになるかが明確になり始めている──TAND(テスラ、アクティビジョン・ブリザード、エヌビディア、ディズニー)の各社だ。
T:テスラ
テスラを悪く言いたがる評論家は多い。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のソーシャルメディア上での発言やその他の奇妙な言動は事あるごとに、そうした評論家たちがテスラに悲観的な見方を示す理由を提供してきた。だが、それでもマスクはテスラを正しい方向に導いている。
テスラは自動車業界を変える潜在力を持っている。そして、同社の能力はそれにとどまらない。リチウム電池、デジタル広告、ライドシェアといったその他の業界への影響力も持っている。