筆者が最初にマクリハニッシュの存在を知ったのは、イギリスのリンクスについて造詣が深いゴルフ作家の、山口信吾さんの本がきっかけであった。山口さんは「1カ月くらい家を借りて、ここキンタイア半島の先端に住みたい」とおっしゃっていたほどである。
マクリハニッシュのコースは、特に1番ホールの緩い左ドッグから圧巻のビューが広がる。風の中を大西洋越しに打たなければいけないティーショットから、その眺めと緊張で興奮が高まる。人も少なく静かな中でプレイを楽しめるとともに、ファンにはたまらないウイスキーの生産地として有名なジュラ島とアイラ島、ヘブリディーズ諸島でも有数の美しさを誇るギア島などが見渡せ、まさに楽園というに相応しい。
10番はこのコースで初めて現れるパー5のドッグレッグで、その攻略に工夫が必要なホール。15番のパー3は非常にタフなショットが要求され、ワンオンでグリーンに乗らないと寄せるのが大変難しくなるなど。いやはや、美しさと難しさを十二分に兼ね備えたコースである。過去に何人ものゴルフコース設計家が改修を重ねてきたが、人工的に作られたバンカーやハザードは1つもなく、やはり自然の神が創りたもうた奇跡なのであろう。
我々は当然のごとく、2日間で4ラウンドを楽しんだのち、クラブハウスのバーで大西洋を見渡す1番ホールの景色を楽しみながら、ウイスキーを美味しくいただいた!
こいずみ・やすろう◎FiNC 代表取締役CSO/CFO。東京大学経済学部卒。日本興業銀行、ゴールドマン・サックスで計28年活躍。現役中から、インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢・発起人、TABLE FOR TWO Internationalのアドバイザーなど社会貢献活動にも参加。お金のデザイン社外取締役、WHILL、FC今治のアドバイザー。