TripActionsはビジネス利用に特化した予約サービスで、社員らが割安な宿や航空会社を利用した場合、キャッシュバックやギフトカードなどの特典を与えている。設立約3年の同社は、パロアルトに本拠を置き、顧客にはアメリカン・エキスプレス・グローバルやカールソン・ワゴンリー・トラベル、経費管理プラットフォームのコンカーなどを抱えている。
新たな資金でTripActionsはテクノロジー部門やカスタマーサービスを増強し、顧客基盤の増強に務める。同社の役員会には新たに、アンドリーセンホロウィッツのベン・ホロウィッツが加わった。TripActionsの累計資金調達額はこれで2億3600万ドルに達し、企業価値10億ドルを超えるユニコーン企業となった。
この分野の競合としては類似サービスを展開する「Rocketrip」などがある。
TripActionsはCEOのAriel CohenとCTOのIlan Twigらが共同創業した企業。「当社はB2Bのビジネスモデルをとっているが、個々のユーザーの利便性を向上させることを第一に考えている」とTwigは述べた。
同社はエクスペディアやプライスラインなどの旅行サイトのデータを収集し、マシンラーニングの仕組みでデータ解析を行う。そのデータを、顧客企業の従業員の好みや年齢、性別、社内のポジション、ふだん利用しているロイヤリティプログラムなどの情報と組み合わせ、最適なマッチングを行っている。
TripActionsは企業の出張コストを抑えると同時に、従業員はリワードが得られる点がメリットだ。また、24時間体制のカスタマーサポートも用意しており、飛行機が遅れた場合などには、即座に別の便を予約し、ホテルやレンタカーの予約管理も一元化している。
同社の昨年の売上は前年度比700%増に達し、月ごとの売上も20%増で推移しているという。ただし、現状ではまだ黒字化を達成していない。
CohenによるとTripActionsを利用する企業らは、宿泊コストを約34%削減できており、顧客企業数の伸びは続いているという。リフトやドロップボックス、建設業向けプロジェクトマネジメントソフトのプロコアなども同社のクライアントに加わった。
この分野では競合も多いが、CohenはTripActionsが市場の覇権を握ることを確信している。